私の習っている武道では,
「できない」
というのもNGワードである.
ある技に挑戦するとき,「できない」と思ってやるのでは,
できるものもできなくなってしまう.
やる前から,あきらめていることになる.
日常生活でも「できない」とすぐにいうのは
あまり良くない.
(もちろん,仕事を断るときには「できない」と言う
必要があるけれど)
課題やプロジェクトがある際に,
最初から「できない」などと言っていては,
成功する可能性が小さくなってしまう.
また部下もついてこなくなるだろう.
なにか事に当たる際には,
「できる」と言って,成功を信じて
断固実行あるのみである.
最悪の結果を考えて万全の対策を講じておくのは
もちろんなのだけど,不安や心配で
気を小さくしていては,健全な判断をくだすことが
できなくなってしまう.
大胆かつ細心に事をすすめるためには,
まず自信を持つことが大切なのだと教わるのである.
(すべての可能性を考えて準備万端整えてこそ,
そうした心境になるのだけど.
まさに万事を尽くして天命を待つのである)
でも,できない技はできない.
それを「できる」というのは嘘をつくことになる.
では,どう言えばよいか.
「未熟なので」
と答えればよいと教わっている.
現在はできないけれど,いつかできる可能性があることを
示唆している.
自分で自分を否定することを避けることにするのだ.
このように私が習っている武道では,
日常生活万般にわたり,稽古しなければならないと
指導される.
口やかましいということなかれ.
日常に活かせない武道など,現代に習う意味など無いのだ.
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