2022年7月2日土曜日

トム・クルーズというトップスター

 「トップガン マーヴェリック」を観て,トム・クルーズの凄さをあらためて思う。いまも私の心の成分の5%くらいはトム・クルーズでできている。

とにかく彼のアクションは素晴らしい。それは撮影のセンスもそうなのだけれど,そのアクションシーンを成立するために必要なフィジカルな能力が素晴らしい。そしてアクションにチャレンジする勇気が素晴らしい。つまりは作品に表れる彼のストイックな生き方が私を惹きつけているのだと思う。

「トップガン マーヴェリック」の中で,ビーチで上半身裸になってトップガンの若きパイロットたちとフットボールを夕陽をバックに楽しむシーンがある(前作ではビーチバレーだった)。若い俳優たちに混じって,トム・クルーズも上半身を見せている。その姿は今年60歳となる年齢(還暦!)を感じさせないものだった。

本作は公開が3年ほど延びているので,撮影時55~56歳だと思われるのだけれど,すごい身体をしている。彼はたぶん宗教上の理由で(彼がある宗教の信者であることは有名だ)ステロイドなどの筋肉増強剤は使用していないと思われるから,本当に身体をストイックに鍛えているのだろう。同様の年代である私の身体といえば...本当に比べるのが恥ずかしい。とりあえず映画を観たあとに腕立て伏せをしてみた。

彼は,他のハリウッドのアクションスターとは少し違う。アーノルド・シュワルツェネッガー,シルベスター・スタローン,ドゥエイン・ジョンソンなどの肉体派ではないし,あるいはブルース・ウィリスに比べるともう少し知的な感じがする。それでいてハンサムだし。そして映画を作る人でもある。つまり,トム・クルーズは他に比べるべき人がいない,トム・クルーズはトム・クルーズなのだ。

その彼はエンターテイメントがなんたるかをを知り尽くしているように思う。クリント・イーストウッドのように中身がある映画ももちろん作っているけれど,今回のように中身が空っぽな(だからこそ感動する)超一流のエンターテイメント作品も作ることができる。何十年にも渡る映画人生でそこまで到達したのだろう。彼がいる限り特にアクション映画は大丈夫なのだ。CGに頼らない,観客が没入できる娯楽作品を製作することができる稀有な映画人の一人なのだ。

ただし彼も60歳。次のミッション・インポッシブルでさすがにアクション俳優はそろそろ卒業しようと思っているのではないか。彼がアクションを引退したあとどうなっていくのか,アクション映画は。「トップガン・マーヴェリック」のような超一級の作品は今後生まれるのだろうか(次は本物の宇宙船の中で撮影をする予定と聞いているけど...)。

彼がこれまでトップスターとしてのステイタスを維持できているのは彼のたゆまぬ努力のおかげだとは容易に想像できる。彼が完璧主義者であることは有名だけれど,それを続けてきたからこそ,彼は尊敬を集める人物であり続けているのだ(まぁ,完璧主義者すぎて嫌っている人も多いだろうけど)。

というわけで最近,トム・クルーズの株は私の中で爆上がりしているのだ。日本で彼と同様の路線を歩んでいる俳優といえば,木村拓哉くらいしか思いつかない。キムタクはまだ50歳前。これからの彼の成長に期待したいけれど,やはりハリウッドスターであるトム・クルーズとはちょっと格が違う(だって「トップガン・マーヴェリック」の制作費は1.7億ドルで,キムタクの「信長」は20億円。約10010倍(修正。ケタを間違ってました)も違うのだから仕方がない)。比べることができないのだ(でもキムタクもいつか製作側の人間になって欲しいな)。

「トップガン・マーヴェリック」後のトム・クルーズがどうなっていくのか,彼というトップスターの晩年がどうなっていくのか楽しみで仕方がない。それだけ私は彼を信頼しているということなのだけれど。

#クリント・イーストウッドと同様に活躍するとなるとあと20年以上は第一線にいることになるのだけど


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