テレビ番組「嘘解きレトリック」(フジテレビ,月曜21:00~)を観ている。
主演は,鈴鹿央士と松本穂香。探偵と「嘘を聞き分けられる」女の子である助手の事件簿である。原作は「花とゆめ」掲載の少女漫画らしい。そうした出自がよくドラマにも出ていて,ところどころに甘酸っぱい探偵と助手のエピソードが散りばめられている。私はもうそんな胸がキュンとするような年齢ではないけれど,中高生がみたら楽しめるのではないだろうか。
「嘘を聞き分けられる」能力は便利そうだけれど,この世界で生きていくにはつらすぎる能力であることは容易に想像がつく。その心の傷つき方をわかりやすく松本穂香がピュアそうに演じている。一方,たとえ嘘を聞き分けられてすぐに犯人がわかっても,みんなが納得できるような推理が必要である。そのストーリーを貧乏だけれど「できる」探偵が構築するのである。ここで鈴鹿央士がその探偵役をまるで王子様のように演じている。一種の探偵バディものだといえるだろう。
解決される事件のトリックは特に込み入ったものではなく(町の人たちのけんかをおさめるというような小さな事件も描かれる),ドロドロした話は少ないので,気楽に観れるのがこのドラマの良いところだと思う。決して悪い意味ではない。こうした気楽に観られる番組は世の中に求められているのだと思う。だから私も毎回飽きずに観ることができている。
しかし,このドラマの感心すべきところはセットである。舞台設定が明治or大正の架空の街なので時代考証が必要であるし,街並みだけでなく道行く人たちの風俗も当時を再現しなければならない。それがそれなりにできているのが素晴らしい。決してチープな感じはしないで当時の世界観をつくりあげている。少年少女向けの物語であるけれど,そのあたりで手を抜いていないことがドラマのクオリティを上げている。
月9の枠は少し年齢が上の世代向けのドラマが多かったけれど,今回のような中高生向けの作品もときどきやってもよいのではないか。若い人たちのテレビ離れが話題となっているけれど,こんな作品があれば少しはテレビに引き留められるかもしない。
シリーズ最終段になって少し怪しい雰囲気もでてきたけれど(ラスボス?),良い意味で気楽に楽しむことができる良作だと思う。
#鈴鹿央士もとうとう月9の主演をはれるところまできたか,と思うと感慨深い。広瀬すずがきっかけでスカウトされたというエピソードが素敵。
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