2010年11月8日月曜日

人の不在の悲しみが心を侵食していく

全くの私事なのだけれど,父が先日亡くなった.
以前から体調はひどく悪かったのだけれど,
また手術が必要となって,その後の回復までの
体力がなかった.

結局忌引きを含めて10日間くらいお休みをいただいた.
関係各位には本当にご迷惑をおかけいたしました.

お陰様で,父の最期を看取ることができた.
眼前において人が息を引き取るところを見たのは
今回が初めてである.
人の最期というものは,本当に突然に,
そしてあっけなく訪れるのだということを,
思い知ることになった.

人の存在がこの世から無くなる瞬間は,
なにも特別なものではなかった.
ただそのときはどこからかやってきて,
その存在を引き連れてどこかに去ってしまうのだ.
本当に自然に.

そしてそれは毎日のいつのときでも
存在している瞬間なのだ.
こうしているときも,どこかで誰かが
この世を去っている.

もちろん私たちの心には記憶という「慣性」があって,
すくなくとも私がこの世に存在している間は,
父は,記憶の中に存在する情報として存在し続ける.
しかし,それも数十年のうちに風化していくのだろう.

しばらくは,それらの生々しい記憶のおかげで,
父の不在を実感することはできないだろう.
しかし,心の中に染みのような小さな黒い穴が
開いたのは確かで,
それが時間とともにじわじわと
広がっていくことを私は恐れている.
私の心も悲しみに侵食されていくのだろうか.

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