2010年11月15日月曜日

ミステリーとは:「葉桜の季節に君を想うということ」

小説を読むようになって,
やっぱり当たり外れが怖いので,
どうしても名作と呼ばれるものを読むことが多い.
自然,古典作品が多くなる.

それはそれでいいのだけれど,
最近のものはどうなっているのか,
ちょっと気になることもある.
またジャンルもいろいろ
手を広げてみたい気もしたりする.

そこで最近読んだのは,
ミステリーと呼ばれる分野で一冊.

「葉桜の季節に君を想うということ」(歌野晶午)

これは,ある新潟の地方局のFM番組で
紹介されていて,それで興味を持って
手に取ってみたものである.

(ちなみに,FM局はport FM,
番組名は「Night i」(日曜夜9:00~11:00).
DJは,松本愛という方で,
これが一度聴いたら忘れられない
すてきな番組であった.
いつかこの話もあらためてしたい)

それで早速読んでみた.
確かに,テンポよく書かれていて,
あっという間に読み終えてしまった.

2004年度のミステリの賞を総なめしたという
だけあって,私のようなミステリ初心者は,
作者に全くもってだまされた.

「なるほど!あれはそうことだったのか」

と思わされる作品になっている.
それなりに,事件の謎解きがいくつか
ちりばめられて,良くできた推理モノであるとも
いえるだろう.

しかし,しかし,なのである.
正直,私にとってはいまひとつ物足りなかった.
ミステリとしての内容については,
全く申し分ない.
しかし,人物の心情の掘り下げが
足りない気がする.
せつなさや,やるせなさがもっと欲しい.
読み終えた後に,ずいぶん感心はしたのだけれど,
感動は少なかった.
これがミステリというものなのか...

現在はミステリというジャンルが非常に人気がある.
(個人的には「ミステリ」という定義も
よく理解できていないのだけれど)
多くの人が,このような謎解きや,
どんでん返しを期待して読んでいるのだろうか.
私はもう少し,人間の心情のドロドロとした小説が
読みたいな.
でも,「ルームメイト」(今邑彩)という作品も
紹介されていたから,
もしも時間があれば試してみようかな,と思っている.


#全然話が変わるけれど,私のもっている手帳
「ほぼ日手帳ウィークス」によれば,
1867年の今日(11/15)に,坂本竜馬と中岡慎太郎が
暗殺されたことになっている.
昨日のNHKテレビでは「あと3ヶ月のことじゃった」と
言っていたのだけれど...
彼らは私が生まれるちょうど100年前に殺されている.

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