もう4月になってしまった.1年の4分の1が終了したことになる.なんという加速感.日々の出来事はそんなに変わらないのに,歯車が回るように確実に時間だけは過ぎていく.そして私たちもゆっくりとゆっくりと変化を続けているのだ.
私が大学生時代いただいていた奨学金の事務局から文集が届いた.毎年,奨学金の卒業生,現役生が寄稿して作られる一冊である.私は一度も寄稿をしたことがなく,たいへん申し訳なく思っているのだけれど,他の方々の文章は毎年読むのを楽しみにしている.
今年は私と年代が近い卒業生が,当時の写真を掲載していたのに目を惹かれた.当時は奨学生が集まってスキー場や登山に出かけるというイベントが年に数回開かれていたのだけれど,その際のスナップ写真が何枚か文集に紹介されていたのである.
実を言うと,私はその頃のことはほとんど覚えていない.当時の写真は10枚以上紹介されていたけれど,自分がどのイベントに参加して,どのイベントに不参加だったのか,全然わからないのである.もう25年くらい前のことになる.すっかり忘れてしまった.そこで,娘たちに私のことを探して欲しいと頼んだ.娘たちはワイワイと写真と私を見比べて早速探してくれたのだけれど,指差し示された(若いころの)私の姿には本当にびっくりした.自分の想像を越えた自分がそこに写っていたのである.
まず,私は痩せている.これはしょうがない.当時はトレーニングをして,プロティンを飲んで,筋肉をつけて太ろう太ろうと努力していたのだけれど,体重は決して70kgを超えることはなかった.68kgに達して胸囲が90cmを越えた頃は本当にうれしかったくらいである.現在の下腹が出て,70kgを優に超える体型がうらめしい...あのころの6つに割れた腹筋は今は熱い皮下脂肪の下である.
次に,写真の中の私は髪の毛がフサフサしていて4:6の比率で分けられている.現在の短髪の姿を見慣れている私にはそれが衝撃的だった.娘たちは,「昔はこんな髪型が流行っていたんだよね~」と笑っていたけれど,我ながらなんとダサい髪型なのだろうと思った.当時もモテなかったのも仕方がない.どうしてこんな髪型だったのだろう.竹の子族時代の沖田浩之のようだ...
そして服装もダサい.いまもダサいけれど,当時からダサい.本当に嫌になる...もう少し自分磨きにリソースを投入していれば現在の自分は少しはマシだったろうに,と思う.
ただ今回のことであらためて知ったのは,やはり毎日毎日私は変わってきたのだという動かしようのない事実である.日々の変化はあまりにも小さいために,そのことをつい忘れて毎日を過ごしている.しかし,現在の自分は,その変化の積分によってできていることを痛感したのだ.毎日のちょっとした心がけ,ちょっとした行動が10年後,20年後の自分を作るのである.
残念ながら今の私は,25年前の私が考えていた未来とは大きく違うところに来てしまっているようだ.しかし,いまさらこの25年の自分のあり方を後悔しても仕方がないということも知っている.もう取り返しがつかないのだ.ただ私にできるのは,これから残された少しの時間,ちょっとでもマシになるように,そして10年後に後悔しないように,毎日の変化を心がけることだけなのだ.
10年後に現在の私の写真を見るときには驚かず,そして現在からの変化を素直に受け入れるようになりたいものなのである.
2015年4月3日金曜日
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