2019年7月2日火曜日

究極の映像美は恐怖に通ずる:「シャイニング」(1980年,スタンリー・キューブリック,ジャック・ニコルソン)

キューブリックの「シャイニング」は今でも5本の指に入るホラーの傑作だと思っているのだけれど(その割に私が観たのはずいぶん最近であるけれど),この映画について感想をかいていなかったことに気づき,ここに少し書いてみる(残念ながら詳細はすでに忘れてしまっているけれど).

2017年11月11日の私のツイート2連投
Yushi Miura @yushi_m
シャイニング。これは大傑作!今まで観なかったことを恥じる。キューブリックの緻密な絵作りに引き込まれる。J.ニコルソンももちろん凄いけど、彼の妻役の人が怖い。精神的な怖さがずっと心に後をひく。映像の美しさも心に残る。そして謎も多く残される。何度も観たい作品。

Yushi Miura @yushi_m
シャイニングのホテルのバーの人は、ブレードランナーのタイレル博士だった。一目でわかった。一方、黒人の超能力者の人はどこかで観たことは覚えているのに思い出せなかった。でもやっと思い出した。映画版トワイライトゾーンで老人ホームにやってきた缶蹴りをする不思議な老人だった!表情が特徴的。

これらのツイートからも,自分がどれだけ興奮していたのかよくわかる.

この映画で映像美が恐怖につながることを初めて知った(キューブリックはそれを十分に理解していた.予告編だけでもその凄さがわかる).すべてが美しい構図となっている.たとえそれが狂人が暴れていたとしても,子供が逃げ惑っていたとしても,そして死人が主人公に抱きつこうとしても,である.

作り込まれた構図に加え,J.ニコルソンをはじめとするすべての登場人物の役への思い入れが伝わってくる.そこまでキューブリックが役者を追い詰めたのだろうと想像される.本当に狂気に満ちあふれている映画なのだ.

内容については何もここでは触れない.しかし,スピルバーグの映画「レディ・プレーヤー・ワン」を観る前には本作を観ておくことを強くオススメする.

#「シャイニング」とは,本作(スティーブン・キングの原作)の中では,超能力を指す
##「Doctor Sleep」についてはまた近いうちに.

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