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松原みき「真夜中のドア」にハマる

昨年の秋,アメリカに出張に行ったときに,ホテルのテレビをつけるとそれはネットにつながっていて,YouTubeを表示することができた.音楽でも聞こうかとするとYouTubeのおすすめ曲の第1番目に竹内まりやの「Plastic Love」が表示されていたのにびっくりした.だってホテルはアメリカなのに…一番のおすすめが日本の曲だなんて…そしてそれが30年以上も前の曲なのだ. この「Plastic Love」が収録されていた「Variety」は私も大好きなアルバムで一時期はたいへん良く聴いていた.もちろん今聴いても素敵な曲なのだけれど,どうも調べてみると昨年くらいから世界的にヒットしていたらしい.シティポップと呼ばれる分野に位置づけられている.確かにあのころ(80年代)のニューミュージックはおしゃれだった.山下達郎をはじめとして,大滝詠一,角松敏生,林哲司あたりは今聴いても古びていない感じがする. 実は私もシティポップというジャンルで最近ずっと聴き込んでいた曲がある.それは松原みきの「 真夜中のドア 」である.彼女は境遇的にあまり恵まれていなくて,確かこの曲でデビューしたのではないかと思うのだけど,それもどこかのバーで飛び入りで歌ったのをスカウトされたということだ.それ以前はずいぶん苦労したらしい.この曲はヒットしたのだけれど,彼女は夭折してしまった.彼女は私より少し年上だったと思う.彼女の動画を見ると,もっともっと活躍してくれればよかったのにと思わずにはいられない魅力を感じる. 「真夜中のドア」も魅力的な歌である.確かにちょっと古く感じるところもあるけれど,何度も何度も脳内再生されてしまう中毒性がある.なんとなく,その当時のオシャレ感が漂っている.少しノスタルジックに感じられるからか,私には親しみやすいメロディなのである.今の若い人が聴いても,そんなに魅力を感じないかもしれないとも思うけど. 80年代,90年代の歌をたまに聴くのも楽しいものである.わたせせいぞうのイラストを見ながらワインを飲む.若い頃はそんな暮らしに憧れていた

竹内まりや,「ファースト・デイト」を歌う

TVをつけたらNHK SONGSが流れていた. 竹内まりやがデビュー40周年ということで特集ということだったらしい.私も彼女が好きなのでチャンネルはそのままつけておいた. ふと岡田有希子の「ファースト・デイト」が流れてきた.画面をみるとなんと竹内まりやがこの歌を歌っている.私は, ぁあ…と震えて ,心が熱くなった.彼女もようやくこの歌を歌えるようになったのだと感動した. 岡田有希子の命日は確か4月8日.私が大学の入学式の会場から出て、新入生向けに作られたプレハブ店舗の大学生協のテレビで彼女の自殺のニュースを見た。あの時のことは忘れることができない. 竹内まりやもずっと岡田有希子の歌を歌うことができなかったという.以前に録音したセルフカバーアルバムでも,結局のところ「 ファースト・デイト」をリストから外したとインタビューで答えていたのを覚えている. 今回のSONGSの中では,短いけれど彼女について竹内まりやが語っていた.彼女の33回忌も過ぎてようやく歌ってもいいかな,と思えたのだとか.あれから33年という時間が過ぎてしまったことに驚いたけれど,それでも私も岡田有希子のことが心のどこかに刺さっているのだとあらためて気づく.当時,別に彼女のファンでもなかった.しかし,彼女の事件のあと日本中で自殺の嵐が吹き荒れたことは,同い年の私たちに共通して何らかの影響を与えているような気がするのだ. 岡田有希子が「ファースト・デイト」を歌うビデオも流れた. 私は いまでもその姿を真っ直ぐに見て楽しむことができない.でも竹内まりやはとうとう彼女のデビューに提供したこの曲を歌うことができるようになったのだ.それまでに30年以上を要したかもしれないけれど.

Blue Flower: SEKAI NO OWARIを聴いて

ラジオからSEKAI NO OWARIの新しいアルバムに収められているという曲が流れてきた.なにげなく聞いていると,それがBachの鍵盤協奏曲(ピアノとは限らず,チェンバロで弾かれることもある)第1番の出だしそのものでびっくりした.私はこの曲が大好きなのだ.特に グールドの録音 が大好きで,冒頭の管弦楽と一緒にピアノが弾かれたあとピアノが強調されたパートがあるのだけど,その切込み方がカッコいいのだ.バーンスタインとの録音などもあるので,ぜひおすすめである.昔,「のだめカンタービレ」というTVドラマがあったけど, 千秋がオーケストラで弾き振りするエピソード で弾いていた曲もこの曲だった. セカオワの方は「Blue Flower」という題名らしい.こちらもなかなか抑えた感じのカッコいい曲で良い印象だった.Bachのピアノ協奏曲なんてFukaseも目のつけどころが違う.さすがドラゲナイだけある. さて,この「Flower」という単語を見て連想する曲はいくつもあるのだけど(Flowerというグループも複数あるし),今回は「 花 a last flower 」がなぜか思い出された.「惡の華」というアニメのエンディングでも流れたらしい.とはいっても私はこのアニメを見たことはないのだけど.ちょっと前の前衛音楽的な手法で作られていて,聴いて気持ちよくならないようにサンプリング編集されている.でも今聴いてもおしゃれな感じがする.というか怖い感じがして心が動かされる.これも音楽の一面なのだ. ということで,Blue flowerつながりで連想したことでした.

映画に飢えている

今年に入って職場が変わったこともあり,また年度末の出張の時期とも重なったため,移動につぐ移動でとにかく休みがとれない.今年に入って休んだのは数日あるかないか,なのだけど,忙しさよりも合氣道の稽古ができないことがまずつらい.身体を動かせないことがこれほどストレスになるとは自分でも驚くほど.たぶん歳をとった分,体力,集中力を維持するためには身体を動かさなければいけなくなったということなのだろう. 身体を動かせないことだけでなく,音楽をゆっくり聴く暇がない,映画を鑑賞する時間がない,そうしたこともずいぶんストレスに感じる.特に映画.映画館に行くどころではなく,DVDを借りてきて観ることもずいぶんしていない.映画が恋しく感じる. 映画というのは,感動するストーリーだけでなく,アクションであっても,ホラーであってもなにかしらの影響が心に残されると思う.わずか1cmかもしれないけれど心が動かされるのだ.映画には没入感があり,結局のところトランス状態に導かれるのだから当然といえば当然なのだけれど. 今気になっているのは「John Wick Chapter 3」.スピード,マトリックスシリーズに続くキアヌ・リーブスの代表シリーズである.一度引退した伝説の殺し屋であるJohnがしがらみから逃れられず,また裏の世界に囚われてしまう.現在は殺し屋の組合(?)の全殺し屋から裏切り者として追われる立場になっていて,Chapter3ではどうやってJohnがこの危機を乗り越えるのかが見どころとなっている(はずである).こんなに面白いのになぜかいまいち日本では話題にならないのが不思議である.世界的には大ヒットしているのに.アメリカでは5月に公開.日本ではいつになるのだろう.1作目のようにアメリカ公開から1年たってようやく日本公開なんてことは無いようにしてほしい. もう一つ気になっている作品は「YESTERDAY」.これはスターを夢見る若い男性である主人公が事故にあって異世界に飛ばされるのだけれど,そこはなぜか「The Beatles」だけが存在していない世界だった.彼はビートルズの作品をその世界で発表しながら大スターになっていくというコメディ.事故から復帰したのち,主人公が「Yesterday」を恋人や仲間の前でギターでうたうのだけど,いきなり仲間たちが涙を浮かべて曲に感動するので...

Progress. Not perfection.

先日,知り合いの方のツイッターにマグカップの写真が上げられていて,カップには "Done is better than perfect" と書かれていた.アメリカのことわざのようなものらしい.素敵な言葉である. それでいろいろと思いを巡らすことになった. 私が最初の職場で,上司から言われた言葉で忘れられないのが 「60点の出来でいいから締切を守ること」 である(残念ながら現在私は守ることができているとはいえないのだけれど).まずは100点を狙わなくていいからとりあえず及第点の資料を作成することが大切,いやとにかく動き始めることが大切ということを教えていただいた.仕事に少しでも取り掛かれば頭が動き出す.出来が悪くても時間さえあれば,それを見直してブラシアップすることもできる.クオリティをあげるのはあとからでもできるのだ.最初から完璧を狙っていては動きが取れなくなってしまう. デンゼル・ワシントン主演のアクション映画「イコライザー」の中で主人公が言っていた言葉も忘れられない. "Progress. Not perfection." 完璧が重要なのではない.進展があることが大事なのだ.大量の仕事に囲まれ,にっちもさっちもいかず,どうしようかと途方に暮れるとき,この言葉を思い出してとりあえず動くことを始めてみるようにしている.進展がなければ,完璧もありえないのだ.

ブギーポップは口笛を吹かない

「ブギーポップは笑わない」がまたアニメ化されている.私は20年ほど前にこのラノベに出会って以来ずっとブギーポップファンで(この「ブギーポップ」がラノベというジャンルの嚆矢だと思っているけど), このブログでも10年ほど前(!)にこの小説について書いている ほどなのだ. 私の記憶によれば(というかWikipediaで調べればわかるけど),この小説はこれまでに実写の映画(吉野紗香!主演)と2度ほどアニメ化されているはずである.このアニメがたいへん雰囲気のあるもので,小説とは異なるストーリーであったけど,非常にクラい,不気味な(ブギーな)作品で魅力的だった.私は救いようのないクラさをもつアニメが好きだから,笑わない主人公がビターエンドに導くこのシリーズがたいへんお気に入りだった. そして今年(いろいろあって昨年から今年に延期されていた),またアニメ化されている.ストーリーは小説にだいたい沿っていて,話の進め方も小説同様細切れだったりして驚いたけど,一体どれだけの人がこの展開についていけるのだろうかと疑問にも思う.小説を読んでいないと理解できないのではないかと思う.人気が出ないことを心配してしまう. 原作との違いも面白い.小説の挿絵のキャラクターデザインの人が怒っていたけれど,まず制服がセーラー服からブレザーになっている.これは好みが分かれるところ. そしてなにより私が驚いたのは,ブギーポップが口笛を吹かないことである.原作では,彼が現れるとき彼の吹く少しぎこちない(?)口笛が聞こえてくるはずなのである.その曲はワーグナーの「ニュルンベルクのマイスタージンガーの前奏曲」.あの大仰な旋律を物悲しそうな口笛で吹くのである.もちろん小説の紙面からは聞こえてこないけれど,なんとも想像力をかきたてるシーンじゃないだろうかと思う.その曲が聞こえてくると黒マントに身を包んだ「彼」が現れるのだ.なんて素敵な設定なのだろう.でも,それがこの新しいアニメにはない.「彼」はいつのまにか現れていた.うーん,ちょっと寂しい. アニメはまだ3話までしか放映されていないので,これから口笛が聞こえてくるシーンがあるのかもしれない.登場人物たちの顔のデザインもいくぶん現代的で明るくなっているので,もっともっと設定とストーリーで展開を暗くしていって欲しい.なんたって「彼」は「不気味な泡」な...

アウトプットをしていく

おかげさまでどうも私は社交的な性格と思われているらしい.たしかに,人見知りはあまりしないし,人と話すのも苦手ではない.しかし一方で,独りでいるのもあまり苦にならないのも事実である.週末どころか一週間くらい誰とも話さなくても問題ない.ひきこもりと言われても仕方がない.若い頃は,独り山に籠もって仙人のような暮らしをするのが憧れだった.別に山ごもりの修行というわけじゃないけど(眉毛を片方剃るとかしないし). だから積極的に人と交流するということに,それほど重きをおいてきたわけではなかった.しかし,これからはちょっと変えてみようと思っている.とにかく私からいろいろと動いてみる.情報を開示してみる.そうして外界との関係を強くしてみようかと思うのである.結局のところ,外の世界に働きかけなければ,自分も環境も変わらないということにようやく気づいたということなのかもしれない.これまで,人と関わることがいくぶん億劫だったし,人間関係が面倒くさく感じることも正直あった.それでもこれからは外に向けてアウトプットをしていこうと思うのである.ずいぶん年をとってからの決心だけれども.