2024年11月17日日曜日

アイアンマン2

 「アイアンマン」を観たあとに

「アイアンマン2」(2010年)

を観た。「アイアンマン」がヒット作となり,続編が作られた。だいたい続編というのは面白さがいくぶん減るのだけれど,この続編は1作目に負けないくらい面白かった。

敵役を演じるのがなんといってもミッキー・ロークなのである。私の世代だと,ミッキー・ロークは「ナインハーフ」でキム・ベイシンガーと主演を務めた二枚目中の二枚目俳優なのだけれど,そのあと紆余曲折があって活躍の話を聞かなくなって,そして「レスラー」で復活(観ていないけれど)。そのあとの「アイアンマン2」なのである。このミッキー・ロークの姿をみるだけでもこの映画を観る価値がある。

この敵役が味があるオジサンで,やはり天才技術者なのだけれど,落ちぶれた生活を送っていて,スターク家に恨みを持っている役なのだ。このオジサンの技術を用いた罠によってアメリカは混乱に陥ることになる。

本作からいっぱいアイアンマンの複製が出てくるようになって,残念ながら緊張感がなくなった気がする。闘いが大げさになるぶん,戦闘シーンが大味になったような気がする。でも,ニック・フューリーだけでなくナターシャ・ロマノフが登場してきたことが,話に広がりを持たせることになった(私個人の感想?)。

さて観ていて気になったことが2つ。

動力源であるアークリアクターの原料はパラジウムらしい。パラジウムは触媒として有名だけれど,動力源になるとは聞いたことがない。そしてプラチナと同じよう源な金属だから作品の中で問題になっていたようなトニーの命を縮める毒素を放出するとは思えない。未知のエネルギー源だから新しい反応なのか...

次に,トニーのトレーニングジムに木人があったと思う。材料は木ではなかったかもしれないけれど,ロバート・ダウニーJr.が練習しているという詠春拳の練習器具である。おー,と思った。ジャッキー・チェンの映画にも「少林寺木人拳」というものがあったし(詠春拳ではなかったと思うけど),詠春拳についてはロバート・ダウニーJr.が映画「シャーロック・ホームズ」でその技を披露している。木人が置いてあったのは彼のアイデアなのだろう。

ということで,ミッキー・ロークの魅力でこの映画の評価は,星4つ。★★★★☆(ちょっと甘めの評価かな)。

#そういえば主演のロバート・ダウニーJr.は日本嫌いだと思っているのだけれど,第1作目(?)の中で自家用ジェットの中で刺身と日本酒を薦めるシーンがある。日本を好きになればいいのに,と思った

2024年11月16日土曜日

アイアンマン

 アメリカでの国際会議に向かうフライトの中でいくつかの映画を観た。まず見たのが

「アイアンマン」(2008年)

久しぶりに観たのだけれど,主人公のトニー・スタークが思いのほか,技術者技術者していることに驚いた。彼は傲慢ではあるけれど,ある意味オタクな天才技術者だったのだ。

アイアンマンのギミックをはじめとして映画で描写されるいろいろなガジェットは,私たち技術者のオタク心を大いに刺激する。もう15年以上も前の映画ではあるけれど,観ていてワクワクした。アイアンマンを構築していく,Cut&Tryの過程も「わかる,わかる」と思いながら見ていた。たぶん技術者が見るアイアンマンと一般の人が見るアイアンマンは,その面白さが違うのだろうと思った。

兵器企業のトニー・スタークが,命を助けてくれた医者・技術者のインセンの自己犠牲によって考え方を変えるところも,単純なストーリーだけれど良かった。家族を語るインセンに家族がいなかった,というところが泣かせる。

こうした作品が,世界に良い技術者を多く生むことになるならばいいのに!と思わずにはいられなかった。

まずはマーベルの世界の始まりの物語。観なければ何も始まらない。

トニーの技術者魂に星4つ。★★★★☆

#グウィネス・パルトローの若さにびっくり

2024年11月9日土曜日

新型コロナウィルスに感染した話

 10月の下旬,アメリカで開催された国際会議から帰国すると,新型コロナウィルスにかかっていた。

土曜日に帰国して,火曜日あたりから体調がおかしくなった。熱は出ていなかったけれど,体中がしくしくと痛む。最初はコロナとは思わなかったけれど,人との接触を避けミーティングはオンラインで済ませるようにして,水曜日には病院に行く。検査を受けると,あっさりと新型コロナウィルスに感染していることが判明した。カロナールを10回分もらってあとは自宅で療養をすることになった。

私は独り暮らしなので,家族に感染する心配もないけれど,そのかわりだれも世話もしてくれない。ただ部屋には,カロリーメイトが10個以上,そのほかカップ麺やバナナなどがあったので,1週間くらいは外に出なくても生きていけそうだった。実際は,新潟に住んでいる母と妹が2日目くらいに食糧を差し入れてくれたのだけれど。

食事はそんなこんなで食べることはできたのだけれど(食欲もあった),困ったのはタンパク質が取れないこと。ヨーグルト系の飲料やチーズなどは差し入れをしてもらったのだけれど,肝心の肉がない。肉なしのベジタリアンのような食生活がつらかった。「タンパク質を」,と探して重宝したのが,「冷凍えだまめ」。電子レンジで温めて食べてたいへん美味しかった。植物性であってもタンパク質はタンパク質なのだ。

熱は38度台前半までしか上がらなかったので大したことないと思っていたのだけれど,身体がとにかくつらかった。体のフシブシが痛みもするし,疲労感もひどい。立っていることがつらい。咳も少し出始めていた。そして,なにがつらいって,よく眠れないこと。体を休めたいのだけれど,眠れないから休めない。どんどん疲労が蓄積していくような気がする。この2~3日が本当につらかった。

しかし,3日もすると,ウソのように体温が下がって急に楽になる。夜もぐっすりと眠ることができるようになった。体力も少しずつ回復することになって,再び動けるようになった。3連休もあったので,比較的良かったのだけれど,仕事だけは何も片付いていない。今週泣きながらたまった仕事を処理し続けている。私が寝ている間に仕事をしてくれる「靴屋の小人」はいないのだと思い知った。

回復してしばらくしたある夜にチョコレートを食べた。味がおかしいことに気づいた。チョコレートだとはわかるのだけれど,味が塗ったりと平坦でおいしくない。。。ドラえもんの「おすそ分けガム」を食べたようだ。元の味が変質している。

そして味覚の変化は今も続いている。食べ慣れたカロリーメイトも味が以前と違うように感じられる。コロナの後遺症なのだろう。しばらくは,この平坦な味の世界で生きていくことになりそうである。

2024年10月6日日曜日

伝説のスター・倉田保昭を見た!

 長野市を訪れた際に娘に薦められて古い映画館を訪れた。長野相生座・ロキシー。見るからに古い映画館で,昭和の時代の映画館ってこんなだったよなぁ,と思わせる外観である。もしも昔のままだったら館の座席は,ちょっと固めの合成皮革張りの木製の椅子であちらこちらが破けて中から汚れた黄色いスポンジがはみ出しているに違いない。もちろんたぶん座席シートは何度も綺麗にされているだろうけれど。。。

そして映画館入り口を入ると右側の暗がりの中にに売店があって,映画のパンフレットと一緒にスナックやラムネ,そしてアイスが売っている。売っているのはちょっと愛想がわるそうな感じの売り子の制服をきた女性。そんな想像をしてしまうような映画館である(あくまでも想像です)。

そんな映画館の内部を入り口から少し首を突っ込んで眺めてみたかったけれど,ちょうど上映が終わった時間かなにかで,中からぞろぞろ人が出てきたので,入りそびれた。そこで映画館の正面に立ってみていると,少し派手なシャツに白いジャケットを着た一人のカッコいいおじいさんが出入口から現れるのを見た。

まさか,あの人では?なぜこんな長野に?私は興奮して身体が小さく震えた。私はなんども見直して確認した。しかし,その人はやはり伝説のアクションスター・倉田保昭だったのである。

すぐにネットで調べて「帰ってきたドラゴン」の上映とともに倉田氏のトークショーが相生座で開催されていたことを知った。トークショーに参加した人たちと映画館の看板の前で一緒に写真を撮っている。「すごい,すごいよ」と興奮したのだけれど,トークショーに参加していない私としては近くによって一緒に写真を撮っていただくこともできず,ただ遠巻きに眺めるだけだった。しかし,本当に感動した。あの和製ドラゴンを直に目にすることができるとは。。。

残念ながら若い人たちは倉田保昭の偉大さを理解していないので,私の興奮がわからないらしい。そこで研究室の学生に,「ブルースリーの友人」。「ヌンチャクをブルースリーに教えた(と言っている)人」だけでなく,「Gメン75」で香港カラテシリーズではあのヤンスエ(「燃えよドラゴン」で「ボロ」と呼ばれていた筋肉ムキムキのアクション俳優)とも何度も戦っている世界的な俳優だと説明したのだけれど,全然ピンと来てくれない。時代劇だって多くの作品に出演している。「影の軍団」では千葉真一のJACとの共演にしびれたなぁ...とにかく素晴らしいアクション俳優なのだ。

若い人たちの反応を見ていると,倉田氏の評価は実績に比べあまりにも低いような気がする。御年78歳らしい。ネット検索の画像をみるといまだにハイキックを蹴っている姿を見つけた(私はとうに蹴れなくなっている)。まだまだ現役,ぜひ後進を育てていって欲しい。特に最近アクション俳優が少なくなっているように思う(日本だけでなく世界的に)。ぜひ彼のあとを継ぐような次のスターが出てきてほしいものである。


2024年10月5日土曜日

ミッションインポッシブル/デッドレコニング PART ONE

 トム・クルーズの作品は,「トップガン・マーベリック」以来の鑑賞。ミッションインポッシブルの最新作も,またトムが全力で走っていた。

2時間43分という尺の長さを感じさせない,スリリングな展開につぐ展開ではあった。しかし,情報量が多すぎてちょっと理解が追い付いていかなかった。私の老化のせいだろうか。。。

今回は「エンティティ」と呼ばれるAIに関係する鍵がカギ。適役のガブリエルとハントとの因縁もよくわからない。CIAとIMFの関係もよく理解できていない。ただそうした背景をよく理解できなくても,アクションだけで満足できるのがこの作品の良さである。

しかし,撮影時トムはたぶん50代後半,60歳近くだったはず。アクションは相変わらずすばらしい。それを考えるだけで,私もまだまだ頑張らなければという気にさせてくれる。

私の評価は星4つ★★★★☆。PART TWOに期待。

#トムが走れなくなったら,誰がハリウッドのアクション映画を継ぐのか。。。

2024年9月29日日曜日

イコライザー THE FINAL

 イコライザーシリーズ最終作「イコライザー THE FINAL」を観た。前2作に感じられたデンゼル・ワシントン演じる主人公マッコールの不気味さ,怖さは薄らいで,「よい爺さん」という雰囲気になっていた。

相手がイタリアシチリアのマフィアということもあって,展開が予想できあまりヒリヒリした感じはなかった。

またデンゼル・ワシントン自身も,たぶんこの映画を撮影していたころは66,67歳くらいなので,この好々爺を演じるのにちょうどよく,「ザ・ウォーカー」みたいなアクションはない。

ただシチリアの街並みはきれいだし,展開が予想されるということが逆に安心感を与えて,これが最終作になるのだという納得感はあった。

私の評価は星3つ。★★★☆☆

2024年9月28日土曜日

宝蔵院胤栄の摩利支天石

 奈良を訪れた際に夕方の散歩の途中,なにかいわくのありそうな石を見つけた。碑に「宝蔵院胤栄守り本尊 摩利支天石」とある。早速調べてみると,宝蔵院流槍術の創始者 胤栄が守り本尊摩利支天として祀った石であるとのことだった。

私は「おー,宝蔵院胤栄ゆかりの石なのか」と感慨深かったのだけれど,一緒にいた学生はあまりピンとこなかったようだった。

たしかに,「宝蔵院流槍術」といっても現在ではあまり知られていないかもしれない。十文字鎌槍とかいっても,最近ではほとんど見ることがない。以前は宮本武蔵のドラマなどがあると胤栄ではなく日観や胤舜との絡みがあって,そこで知る機会があったりしたのだけれど(私もそうだった),最近ではめっきり知名度が低くなっている。

胤栄は猿沢の池に映った三日月をみて,十文字鎌槍を編み出したと言われる。槍といえば宝蔵院といわれるまで有名だったらしい。吉川英治の宮本武蔵の中では,日観という老僧が武蔵の殺気に応じて殺気を返したために武蔵がそれを感じて飛びのいたという話が出てくる。市川海老蔵が主役だった宮本武蔵では,たぶん長門勇が日観で得意の槍術を披露していた。役所広司版だと誰が日観を演じていたのだっけ,覚えがない。魔界転生の中では,転生した化け物の一人が宝蔵院胤舜だった(沢田研二の映画では,室田日出夫が演じていた。槍で立ち回りをするのだけれど,早々に柳生十兵衛に切られてしまうのだけれど...)

今は宮本武蔵のドラマなどないから,そんな僧が修練した槍術があったなんて知らない人が多くなったのだろう。しかし,私はこの石をみて久しぶりに宮本武蔵の小説・ドラマを思い出し,なんとも言えない感慨に浸ったのである。

宝蔵院の摩利支天石。なぜこの石を祀ったのかは説明がなかった。


アイアンマン2

 「アイアンマン」を観た あとに 「アイアンマン2」(2010年) を観た。「アイアンマン」がヒット作となり,続編が作られた。だいたい続編というのは面白さがいくぶん減るのだけれど,この続編は1作目に負けないくらい面白かった。 敵役を演じるのがなんといってもミッキー・ロークなのであ...