2008年8月5日火曜日

冬のコーラ,ラージサイズ

ついでに私の英語の失敗談を昨日に続けて.

繰り返すけれど,初めての海外出張は博士課程2年のときの
カナダとアメリカだった.
二つの国際学会に参加するためで,その間の
1ヵ月間くらいは向こうにいたのだけれど,
クレジットカードが向こうで使えなくなり,
(二つ分の学会参加費を引き落とされた)
少々の現金とトラベラーズチェックだけを頼りに
アメリカのいくつかの都市のユースホステルを
回っていた.

シカゴに着いた頃はもう10月だったので,
街の気温はずいぶん低かった.
ロスにいたころはTシャツで済んだのだけれど,
シカゴはコートが必要な寒さだった.
そこでシカゴのエドガーバウアーで
マウンテンパーカを購入した.

Sサイズだったのだけれど,
袖の長さは丈に比べて長く,
私の腕がずいぶんと短いように感じたのを
覚えている.
なんか,自分がアメリカに合っていないような感じ.


さて,あまりに身体が冷えたので,
マクドナルドに入ってホットココアを
頼むことに.

黒人の可愛い女の子の店員に向かって,

「ココア,プリーズ」

といってみた.果たして店員の女の子は,

"Ha?"

と,以前に聞いた笑い話通りの反応.

「ココア,ココア,プリーズ」

と繰り返すと,店員もようやく理解した様子で

"For Here or to Go?"

という.「ヒア」と答えると店員は店の奥へ.
これで,ストロベリーシェイクが2個出てきたら
ずいぶんと笑っちゃうよなぁ,なんて
思っていたら,なんと,彼女はコーラを持って出てきた.
それもラージサイズ(アメリカサイズでかなりでかい).

唖然として声も出なかったけれど,
代金はともかく払った.
しかし,本当にショックだったなぁ.
ラージサイズのコーラのカップには
クラッシュドアイスがすごく沢山詰め込んであって,
心も身体もずいぶんと冷え込んだ.

今となっては笑い話だけれど,
あのときは,絶対英語うまくなってやる,と
思ったなぁ.
いまだに上達していないけど.

結局,「ココア」は,
"Hot chocolate" と言えば通じるのだと,
ユースホステルの他の外国人に教わった.
その教えてくれた彼も大笑いしてたっけ.

その他,このときは,"Beverly Hills"も
通じなかったし,なんと"Salada"さえも通じなかった.
ホットサンドイッチの店で,後ろのおばあちゃんが,
「サラダ,って言ってんじゃないの?」
みたいなことを店員に言ってくれて初めて
ホットサラダサンドイッチが食べられた.

女の子の"Claire"の名前も聞き取れなかったし,
(「クラー」と聞こえる)
"Pen"も英国人が発音するとフライパンかと思った.

それでも行く先々で,ホテルに電話をかけまくって
安い宿泊場所をさがしていたのだから,
まぁ,若い時はなんでもできるということかなとも思う.
何日間かは,朝食はリンゴだけだったし.
ほんと,今思うと大変な旅だったなぁ.

今でも,英語が通じないことがしばしばある.
思わず苦笑する.
それでも,くじけないようになったのは,
あのはじめてのアメリカの旅のおかげかも,と
ちょっぴり思う.

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