2008年8月8日金曜日

オープンキャンパス,模擬授業

今日は工学部のオープンキャンパスであった.
高校生のみなさん向けに,大学や研究室の紹介を
するのである.

今年は,私が高校生相手に模擬授業というものを
することになった.
通信のU先生と一緒に,高校生向けに
電気のトピックスのお話をした.

U先生は,スプライトとよばれる
宇宙への放電現象(雷)をモニタするという
壮大なプロジェクトについてお話しされた.
私も聴いていて,大変面白かった.
いいなぁ.本当に夢がある.

一方,私はと言えば,電力とエネルギーの話をした.
具体的には,パワーエレクトロニクス(パワエレ)と
核融合の話である.

パワエレは,家電やハイブリッド自動車,
電車など身の回りにあふれているのに,
それを一般のみなさんに知ってもらう機会が少ない.
そこで,ひとつパワエレについて,
その概念と応用例についてお話したのである.

これはパワエレ学会でも話題になったことなのだけれど,
若い人たちに理解してもらおうとする努力なしには,
その分野へとは人材は集まらない.
その一助になればと思う.

また,もう一つの話題の核融合.
これもまた随分と長いスパンの話で,
人材の継続した供給が問題となっている.
今日話を聞いてくれた高校生が
博士課程を修了するころにちょうど
国際熱核融合炉のITERがファーストプラズマを
達成することになっている.
彼らのうち,ひとりでも核融合研究者となってくれるといいなぁ.
大阪大学は,核融合研究においては
日本をリードする機関のひとつであることだし.

今日の講義はずいぶんと不出来であり,
自分としては反省することしきりであるけれど,
少しでもパワエレとITERというキーワードが
心に残ってくれればいいと思う.
今日の講義を聴いてくれた高校生たちが
どの道に進むのか,それはわからないけれど,
どんな職業についたとしても,
科学技術に対する興味は持ち続けてほしいと思う.

科学技術に対する理解なくしては,
科学離れ,理工系離れは解決できないだろう.

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