2008年8月26日火曜日

カップ焼きそばの罪悪感

ときどき無性に食べたくなるものって,
誰にだって,いくつかある.
私の場合,そのうちのひとつが,
カップめんの焼きそばである.

空腹時に,突然あのソースの匂いに
わけもなく焦がれるようになる.
いてもたってもいられなくなって,
近くのコンビニに出かけていき,
ついついカップ麺の棚に手を伸ばしてしまう.
それが周期的に繰り返されている.

カップめんの焼きそばというのは,
本当の焼きそばとはずいぶん違う.
もちろん,そばを全然炒めていないわけだし,
キャベツもお湯でふやかしただけのものである.
単にゆでたような麺に
ソースをからめて食べるだけである.

しかし,この非常にB級的な味が癖になるのだ.
適度な辛さに調整されたソース,
ふりかけのスパイシーな香りも
食欲をそそる.
そして,あのゴムのような麺.
食べたあとにたっぷりと
満足感を味わえる.

これを発明したのは,
いったいどんな人なのだろう.
焼きそばではない,焼きそば.
このソース麺を開発し,
このような中毒性を持たせた人は
悪魔的にすばらしい.

しかし,このカップ焼きそばの欠点は,
なぜか食べたあとに後悔感を
もつことなのである.
なにも悪いことなどはない.
しかし,なぜか食べたあとに,
"これでよかったのか"とか,
"食べなきゃよかったかな"などと
思ってしまうのである.
これは私だけの感想なのだろうか.

なぜこのようなネガティブな
気持ちが起こるのだろう.
あのソース麺で腹が膨れることに,
罪悪感を感じるのだろうか.
それとも,いかにも身体に悪そうだから,
後悔してしまうのだろうか.
いずれにしろ,ソース麺を食べたあとに
爽快な幸福感を味わったことは
ないような気がする.

そもそもカップ焼きそばを食べる場所といえば,
大学時代,それは雀荘だった.
たばこの煙の中で食べる.
あまりいい思い出ではない.
あるいは下宿でテレビを見ながら
口に頬張る.
これもなんか嫌なイメージだ.

なのに,ときどきそれが無性に食べたくなってしまう.
そして食べたあと,また罪悪感に悩まされるのである.
それを懲りもせず繰り返している.
私はあのソースに麻薬性の成分が
含まれているのではないかと疑っている(ウソ).

とにかく,あのカップ焼きそばを開発した人には
最大の敬意を表したい.
こんなくだらないことを,即席めん誕生50周年の昨日,
誕生の地である池田市の周辺を車で走りながら
思っていたのである.

#明日から出張で不在です.
たぶん,次の更新は月曜日です.

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