大学に来て,予想と違っていたことに,
読書の時間がなかなかとれないということがある.
もっと毎晩ゆっくりと本を開いて...というのが
あまり実現できていない.
今年も20冊くらいしか読めていないのではないか.
そんな数少ない本の中でも,いくつか印象に
残ったものがある.
そのひとつが,
「グレート・ギャツビー」(S. フィッツジェラルド,村上春樹訳)
であった.
実は大学時代に,野崎孝訳を読んでいるのだが,
村上春樹の新訳と聞いて,購入して読んだのである.
とはいうものの,野崎孝訳の描写など覚えているはずもなく,
(最後の一文は覚えているけれど)
あらすじはわかっているものの,
初めて読むような感覚で,ページを繰ることができた.
年を取ったからかもしれないが,
かげりゆく青春のきらめき,という感じで,
かなり切ない気持ちになった.
登場人物たちはまだ二十代か三十代前半で,
行動もそれにふさわしく若々しいのだ.
まずそれを感じた.
今の私には到底できないような行動をするのだ.
逆にそれがうらやましい.
若さゆえの行動が,悲劇につながっていくのだけれど,
もうギャツビーの哀れさにぐっときてしまう.
しかし,それがうらやましくもある.
私には,そうした若さは二度と戻ってこないのだと,
再確認しながら読むことになった.
「華麗なるギャツビー」はロバート・レッドフォードが
ギャツビーを演じて既に映画化されている.
確かビデオで観たはずなのだけれど,
レッドフォードのかっこよさだけが記憶にあって,
その他のことを覚えていない.
しかし,レッドフォードははまり役だったのは確かだ.
それが,レオナルド・ディカプリオ主演で
リメイクされることになっているらしい.
語りのニックは,トビー・マグアイア,
そしてデイジーが,キャリー・マリガンという
配役とのこと.
う~ん,ディカプリオのギャツビーは気になるなぁ...
結局,物語の最後,ギャツビーには悲劇は訪れ,
彼に見向きをする人は誰もいなくなる.
物語,最後の一文は,
So we beat on, boats against the current,
borne back ceaselessly into the past.
(そう,私たちは,絶えず過去へと押し戻されながらも
流れに逆らってボートをこぎ続ける)
今読んでも切ない終わり方である.
2010年12月21日火曜日
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