2010年12月10日金曜日

瞬低で停まった工場のUPSは,どこのメーカの製品か?

すみません.
ちょっと時間がとれず,ブログ更新が
できませんでした.

昨日も東京で,電気学会の産業応用フォーラムで
お話しさせていただく.
なんとか自分の役割を果たせたと思う...
ブログに書けなかった出来事については,
来週以降,おいおいと書くことにいたします.

さて,本日,研究室の学生たちが何かしら
ワイワイと話していた.
尋ねてみると,瞬時電圧低下のニュースに
ついての話題.

新聞によれば,12/8未明に中部電力管内で
発電所附設の変電所の開閉設備の不具合のために,
瞬時電圧低下瞬低と呼ばれる)が発生し,
その影響で東芝の半導体工場の操業が停止したとのこと.
来年度の1~2ヶ月間の半導体の出荷が最大2割程度
減少するとの見通しらしい...

私も昨晩の帰りの新幹線の中で,このニュースを見た.
瞬低が話題になるなんて珍しい,と思ったのだけれど,
(落雷等でそれなりの頻度で発生しているので)
学生たちは別の話題で盛り上がっていた.

すなわち,東芝の工場に設置されている
無停電電源装置(UPS)は,どのメーカのものなのだろう,
ということである.

半導体工場のような,瞬低や停電に弱い設備では,
通常,UPSが設置される.
電力系統で今回のように事故があった場合に,
電池やコンデンサに貯めておいた電力を用いて
電圧の不足分を補う装置である.
このUPSがあれば,なにか系統事故があっても,
工場の機械から見れば,瞬低や停電は無かったように
運転を継続できるのである.


新聞記事によれば,原因となった瞬低は,
電圧低下率50%, 瞬低継続時間70ms程度の
決して珍しくはないものだったという.

今回がシビアな事故だったらわかるけれど,
50%,70msの瞬低は,結構頻繁にあり得るもので,
当然UPSは補償しなければならないレベルのものである.
それが,カバーできなかったのだから,
UPSメーカに対して工場は損害賠償を請求するのでは
ないか,と学生たちは話していた.
そして,それがA社なのか,B社なのか,
いや,B社ブランドだけれど中身はA社のものではないか,
などという話題で盛り上がっているのである.

私は少しうれしい.
一般の人だったら,当然中部電力だけが悪いと考えるだろう.
(確かに,人為的な事故であったのであれば,
当然追及されるべきものである)
しかし,研究室の学生は,(一応(笑))勉強しているだけあって,
UPSのメーカにまで考えが広がる.
それがうれしいのである.

まぁ,学生にとってみれば,
自分たちもそういうメーカに就職するわけだから,
恐怖におののいている訳なのだけれど...

しかし,近辺では操業がストップした工場がいくつかあったという.
どの工場もUPSが設置されていたとしたら,
今回は,ちょっと普通ではない
UPSが動作しにくい瞬低だった可能性もあり得る.
続報を待ちたいと思う.

(とはいえ,新聞には載らないだろうから,
知り合いに後で顛末を尋ねてみよう...)

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