皮肉屋でもうひとり思い出した.私の大好きな俳優であるキアヌ・リーブスが演じた「コンスタンティン」(映画, 2005年)の主人公コンスタンティンである.
肺がんを病み,それでもタバコを青い顔で吸い続ける.一度自殺を図ってしまったために死ねば地獄へ落ちる運命を定められた男.その運命を少しでも変えるために,悪魔を退治し人を救おうとする.それがコンスタンティンなのである.
この男をしびれるほどかっこよく(ジョン・ウィックとは違うかっこよさで)演じているのがキアヌ・リーブスなのだけれど,劇中では悪魔やヒロインに向かってやはり毒舌を吐くのである.でも,それが病んでいて,かっこいい.救われようのない人生に愚痴ってもかっこいい.
私はこの役はキアヌにぴったりだと思っていて,映画はシリーズ化されると思っていたのだけれど,いまだにそうした話は出ていない.キアヌ自身はやりたいとどこかのインタビューで話していたけれど...
意外に知られていない映画だけど,ぜひオススメしたい映画.ヒロイン役はレイチェル・ワイズ.彼女も病的で美しい.
#この映画のルシファーも皮肉屋でかっこいい
2019年10月19日土曜日
2019年10月18日金曜日
シャーロック・ホームズは皮肉屋なのか
以前から書いているけれど,私は辛辣な皮肉屋が大好きで,勝海舟やフィリップ・マーロウなんてその最たる人たちだからもう熱心なファンなわけだけれど(そういえば江藤淳先生も皮肉屋に含まれるかな),最近もまた素敵な皮肉屋を見つけた.
現在,放映中のテレビ番組「シャーロック」である.主人公はディーン・フジオカ演ずる「誉 獅子雄」である.ワトソン役は岩田剛典演ずる「若宮潤一」.やはりシャーロックに相当する誉獅子雄は非常にクセのある人物に描かれていて,ときには冷酷なことも言ってのける人間なのだけれど,このドラマの中では,それほど変人ぽくはない.そして,かなりひどい皮肉を彼が言ったとしてもディーン・フジオカというフィルタを通されるからそんなにキツく感じられないのが,このドラマを上品にしている.私はこのシャーロックは好きだ.
考えてみれば,シャーロック・ホームズは原作(正典)から変人として描かれて入るけれど,それほどの皮肉屋ではなかったように思う.ジェレミー・ブレッド演じるテレビシリーズ「シャーロック・ホームズの冒険」でもシャーロックは変人だったけれど,やはり英国紳士だった.しかし,ロバート・ダウニーJrが演じた映画「シャーロック・ホームズ」シリーズあたりからずいぶんと皮肉を言うようになってきたように思う.そして,極め付きはベネディクト・カンバーバッチの「シャーロック」である.ワトソン役のマーティン・フリーマンの良い人柄ぶりとは対称的にかなり皮肉を飛ばしていた.私も大いに楽しんだけれど.
日本では,竹内結子が演じる「ミス・シャーロック」が良かった.やはり変人だったけれど皮肉もその美しさのオブラートにくるまれて,素敵に聞こえる.よかったなぁ.
そして,今回のディーン・フジオカ.たいへん上品な感じがするのは,演じる役者のもつオーラなのか.あんなシャーロックがいたら,惚れてしまうなー.トリックが凝っているとかではないけれど,なかなか暗い内容で,そこも私好みなドラマである.最後までクオリティが高いといいなぁ.
ということで,私の好きな皮肉屋リストにはシャーロックがアップされ,そしてそのシャーロックはさまざまな役者たちが演じてきた数だけいるのだ.そのそれぞれが私のお気に入り.「シャーロック・ホームズ」は世界でもっともドラマ化・映画化されている作品なのだ.今後もどんどん素敵なシャーロックが現れてほしい.
現在,放映中のテレビ番組「シャーロック」である.主人公はディーン・フジオカ演ずる「誉 獅子雄」である.ワトソン役は岩田剛典演ずる「若宮潤一」.やはりシャーロックに相当する誉獅子雄は非常にクセのある人物に描かれていて,ときには冷酷なことも言ってのける人間なのだけれど,このドラマの中では,それほど変人ぽくはない.そして,かなりひどい皮肉を彼が言ったとしてもディーン・フジオカというフィルタを通されるからそんなにキツく感じられないのが,このドラマを上品にしている.私はこのシャーロックは好きだ.
考えてみれば,シャーロック・ホームズは原作(正典)から変人として描かれて入るけれど,それほどの皮肉屋ではなかったように思う.ジェレミー・ブレッド演じるテレビシリーズ「シャーロック・ホームズの冒険」でもシャーロックは変人だったけれど,やはり英国紳士だった.しかし,ロバート・ダウニーJrが演じた映画「シャーロック・ホームズ」シリーズあたりからずいぶんと皮肉を言うようになってきたように思う.そして,極め付きはベネディクト・カンバーバッチの「シャーロック」である.ワトソン役のマーティン・フリーマンの良い人柄ぶりとは対称的にかなり皮肉を飛ばしていた.私も大いに楽しんだけれど.
日本では,竹内結子が演じる「ミス・シャーロック」が良かった.やはり変人だったけれど皮肉もその美しさのオブラートにくるまれて,素敵に聞こえる.よかったなぁ.
そして,今回のディーン・フジオカ.たいへん上品な感じがするのは,演じる役者のもつオーラなのか.あんなシャーロックがいたら,惚れてしまうなー.トリックが凝っているとかではないけれど,なかなか暗い内容で,そこも私好みなドラマである.最後までクオリティが高いといいなぁ.
ということで,私の好きな皮肉屋リストにはシャーロックがアップされ,そしてそのシャーロックはさまざまな役者たちが演じてきた数だけいるのだ.そのそれぞれが私のお気に入り.「シャーロック・ホームズ」は世界でもっともドラマ化・映画化されている作品なのだ.今後もどんどん素敵なシャーロックが現れてほしい.
2019年10月10日木曜日
ヘミングウェイにとって命がけの競技こそスポーツだったのだ
「ラグビーは人生ってやつを教えてくれる」みたいな記事を書いて,ヘミングウェイの言葉を紹介したけれど,実はヘミングウェイは次の言葉を残している.
すなわち,ヘミングウェイは命をかけるものでなければスポーツと呼ぶに値しない,と言っているわけである.「いやいや,スポーツは命がけじゃないから」とツッコミたくなる言葉である.しかし,第2次世界大戦で従軍し,ボクシングをたしなみ,釣りと狩りを楽しみ,スペインで闘牛にぞっこんだった彼には,他のスポーツが生ぬるく感じられたというのも仕方ないような気がする.闘牛についてなんて,「闘牛は死の危険を犯して生み出す唯一の芸術」だとまで言っていて(出典不明でどこかで読んだだけなんだけど),死と隣り合わせなことは非モラルであるけれど興奮するといっている.そこまでやらないと彼には本当のスポーツにはならなかったらしい.
しかし,スポーツというのはそもそも語源が「気晴らし」という言葉なくらいお気楽なものなのだ.そこから考えるとヘミングウェイの言葉は厳しすぎるように思う.私も「武道」と「スポーツ」の違いを訊かれると,そもそもの始まりが違うと答えるようにしている.武道は始まりからして決して気晴らしではないのだ.
でも実際は世界のトップアスリートたちは命がけで競技に取り組んでいる.私みたいなエセ武道稽古者とくらべるのもおこがましいくらいに.そこで私はこう疑問に思う.そこまでして行う競技は「スポーツ」と呼べるものなのだろうかと.それらは決して「気晴らし」ではないのだから.
#ヘミングウェイの短編集を読んでいても闘牛を題材にした話が数多く出てくる.しかし,闘牛といえば,彼には「午後の死」という著作があるらしいけど私は読んだことがない.AMAZONを見ても,該当する本が見当たらない.いつか読んでみたいと思っているのだけれど(そんな暇あるか!),この作品に名前をとった彼考案のカクテルがあるという.この「午後の死」というカクテルは,もともとはなんと「黒色火薬」をシャンパンで割ったものらしい.今ではアブサンをシャンパンで割ったものになっているらしいけれど...
スポーツと呼ぶに足りる競技は三種類しかない。それは闘牛、モーターレース、そして登山。他はすべてただのゲームにすぎない
“There are only three sports, bullfighting, motor racing, and mountaineering and all the rest are merely games.”
すなわち,ヘミングウェイは命をかけるものでなければスポーツと呼ぶに値しない,と言っているわけである.「いやいや,スポーツは命がけじゃないから」とツッコミたくなる言葉である.しかし,第2次世界大戦で従軍し,ボクシングをたしなみ,釣りと狩りを楽しみ,スペインで闘牛にぞっこんだった彼には,他のスポーツが生ぬるく感じられたというのも仕方ないような気がする.闘牛についてなんて,「闘牛は死の危険を犯して生み出す唯一の芸術」だとまで言っていて(出典不明でどこかで読んだだけなんだけど),死と隣り合わせなことは非モラルであるけれど興奮するといっている.そこまでやらないと彼には本当のスポーツにはならなかったらしい.
しかし,スポーツというのはそもそも語源が「気晴らし」という言葉なくらいお気楽なものなのだ.そこから考えるとヘミングウェイの言葉は厳しすぎるように思う.私も「武道」と「スポーツ」の違いを訊かれると,そもそもの始まりが違うと答えるようにしている.武道は始まりからして決して気晴らしではないのだ.
でも実際は世界のトップアスリートたちは命がけで競技に取り組んでいる.私みたいなエセ武道稽古者とくらべるのもおこがましいくらいに.そこで私はこう疑問に思う.そこまでして行う競技は「スポーツ」と呼べるものなのだろうかと.それらは決して「気晴らし」ではないのだから.
#ヘミングウェイの短編集を読んでいても闘牛を題材にした話が数多く出てくる.しかし,闘牛といえば,彼には「午後の死」という著作があるらしいけど私は読んだことがない.AMAZONを見ても,該当する本が見当たらない.いつか読んでみたいと思っているのだけれど(そんな暇あるか!),この作品に名前をとった彼考案のカクテルがあるという.この「午後の死」というカクテルは,もともとはなんと「黒色火薬」をシャンパンで割ったものらしい.今ではアブサンをシャンパンで割ったものになっているらしいけれど...
2019年10月7日月曜日
ラグビーは人生ってやつを教えてくれる
ラグビーが盛り上がっていてうれしい.気づいてみれば現在,世界陸上,バレーボールのWカップ,プロ野球のCSなどで,どのスポーツも盛り上がっている.そう,もうスポーツの秋なのだ.
なかでも私はラグビーが好きなのである.私が通っていた高校はラグビーが校技で,男子全員がラグビージャージとラグビーパンツ,そしてソックスを購入させられ,一年のうち結構な時間をラグビーに割いて練習させられていた.まぁ,その頃男子校に近かった母校もこの頃では女子が過半数を超えたというから,今ではどうかわからないけど.
ラグビーの良さは,なんといってもその肉弾戦の迫力である.運動神経がズタズタに切れている私だから,やっぱり体育は苦手だったのだけれど,それでもタックルも練習させられた.タックルマシーンにぶつかるのは楽しかったけれど,あたっても「ポスッ」っていう情けない音がするばかりだった.実は私の同級生たち(ラグビー部)は全国高校ラグビーフットボール大会で花園に行ったのだけど,彼らがタックルすると「バシーン」という硬いものがぶつかる音がした.彼らの身体は筋肉で固められているのだと思ったものである.
とにかくラグビーは,身体と身体がぶつかりあうスポーツでそこが男らしいし,倒れてしまうとプレーはできず石のように扱われても文句を言わない.それも男らしい.選手は常に傷だらけである.だからこそ彼らの笑顔は素晴らしい.そして,試合後はノーサイド.誰よりも紳士らしく振る舞う必要もある.まさに理想の男を磨くためのスポーツなのである.
ラグビーW杯の選手たちのあの超人的な身体能力と不屈の精神力を見るたびにこちらも震え立つ.年をとってすっかり忘れていた勇猛さをちょっぴり(ほんのちょっぴりだけど)思い出させてくれた.それがうれしいのである.
ヘミングウェイの言葉を思い出す.
「スポーツは公明正大に勝つことを教えてくれるし,またスポーツは威厳をもって負けることも教えてくれるのだ.要するに…スポーツはすべてのことを,つまり,人生ってやつを教えてくれるんだ」
私の同級生たちはテレビ番組の「スクールウォーズ」に感動し,花園に行った.
確かにラグビーは,人生ってやつを教えてくれるのだ.
なかでも私はラグビーが好きなのである.私が通っていた高校はラグビーが校技で,男子全員がラグビージャージとラグビーパンツ,そしてソックスを購入させられ,一年のうち結構な時間をラグビーに割いて練習させられていた.まぁ,その頃男子校に近かった母校もこの頃では女子が過半数を超えたというから,今ではどうかわからないけど.
ラグビーの良さは,なんといってもその肉弾戦の迫力である.運動神経がズタズタに切れている私だから,やっぱり体育は苦手だったのだけれど,それでもタックルも練習させられた.タックルマシーンにぶつかるのは楽しかったけれど,あたっても「ポスッ」っていう情けない音がするばかりだった.実は私の同級生たち(ラグビー部)は全国高校ラグビーフットボール大会で花園に行ったのだけど,彼らがタックルすると「バシーン」という硬いものがぶつかる音がした.彼らの身体は筋肉で固められているのだと思ったものである.
とにかくラグビーは,身体と身体がぶつかりあうスポーツでそこが男らしいし,倒れてしまうとプレーはできず石のように扱われても文句を言わない.それも男らしい.選手は常に傷だらけである.だからこそ彼らの笑顔は素晴らしい.そして,試合後はノーサイド.誰よりも紳士らしく振る舞う必要もある.まさに理想の男を磨くためのスポーツなのである.
ラグビーW杯の選手たちのあの超人的な身体能力と不屈の精神力を見るたびにこちらも震え立つ.年をとってすっかり忘れていた勇猛さをちょっぴり(ほんのちょっぴりだけど)思い出させてくれた.それがうれしいのである.
ヘミングウェイの言葉を思い出す.
「スポーツは公明正大に勝つことを教えてくれるし,またスポーツは威厳をもって負けることも教えてくれるのだ.要するに…スポーツはすべてのことを,つまり,人生ってやつを教えてくれるんだ」
私の同級生たちはテレビ番組の「スクールウォーズ」に感動し,花園に行った.
確かにラグビーは,人生ってやつを教えてくれるのだ.
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人への話しかけかた
私は少なくない頻度で,見も知らない人に話しかけることがある。もちろん一番多いのは,学生相手だけれど,街中でも知らない人と会話を始めることが結構な頻度である。 街中では話しかけられて会話が始まることが多いけれど,学内では学生に私から話しかけることが多い。他愛のない話をするのである...
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