2019年10月18日金曜日

シャーロック・ホームズは皮肉屋なのか

以前から書いているけれど,私は辛辣な皮肉屋が大好きで,勝海舟やフィリップ・マーロウなんてその最たる人たちだからもう熱心なファンなわけだけれど(そういえば江藤淳先生も皮肉屋に含まれるかな),最近もまた素敵な皮肉屋を見つけた.

現在,放映中のテレビ番組「シャーロック」である.主人公はディーン・フジオカ演ずる「誉 獅子雄」である.ワトソン役は岩田剛典演ずる「若宮潤一」.やはりシャーロックに相当する誉獅子雄は非常にクセのある人物に描かれていて,ときには冷酷なことも言ってのける人間なのだけれど,このドラマの中では,それほど変人ぽくはない.そして,かなりひどい皮肉を彼が言ったとしてもディーン・フジオカというフィルタを通されるからそんなにキツく感じられないのが,このドラマを上品にしている.私はこのシャーロックは好きだ.

考えてみれば,シャーロック・ホームズは原作(正典)から変人として描かれて入るけれど,それほどの皮肉屋ではなかったように思う.ジェレミー・ブレッド演じるテレビシリーズ「シャーロック・ホームズの冒険」でもシャーロックは変人だったけれど,やはり英国紳士だった.しかし,ロバート・ダウニーJrが演じた映画「シャーロック・ホームズ」シリーズあたりからずいぶんと皮肉を言うようになってきたように思う.そして,極め付きはベネディクト・カンバーバッチの「シャーロック」である.ワトソン役のマーティン・フリーマンの良い人柄ぶりとは対称的にかなり皮肉を飛ばしていた.私も大いに楽しんだけれど.

日本では,竹内結子が演じる「ミス・シャーロック」が良かった.やはり変人だったけれど皮肉もその美しさのオブラートにくるまれて,素敵に聞こえる.よかったなぁ.

そして,今回のディーン・フジオカ.たいへん上品な感じがするのは,演じる役者のもつオーラなのか.あんなシャーロックがいたら,惚れてしまうなー.トリックが凝っているとかではないけれど,なかなか暗い内容で,そこも私好みなドラマである.最後までクオリティが高いといいなぁ.

ということで,私の好きな皮肉屋リストにはシャーロックがアップされ,そしてそのシャーロックはさまざまな役者たちが演じてきた数だけいるのだ.そのそれぞれが私のお気に入り.「シャーロック・ホームズ」は世界でもっともドラマ化・映画化されている作品なのだ.今後もどんどん素敵なシャーロックが現れてほしい.

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