2024年12月31日火曜日

ダンダダン

 「ダンダダン」

がいきなり,知らないうちに終わってしまっていた。Tverで観ていたので,これで今シーズンが終わりだ,とはわからなかった。呪われた家に出かけ,登場人物たちがそれぞれピンチに遭った状態で終了。いわゆるクリフハンガーである。シーズンの終わりがこうした形となるのは日本では珍しいのではないかと思う(BBCの「SHERLOCK」はそうだったけれど)。

このアニメ作品は,展開が早くて毎週楽しみにしていた。まず絵がうまい。原作の画のうまさにも感心したけれど,アニメになってもそのうまさが引き継がれているような気がする。いろいろな画角や効果,色使いなど,たいへん工夫されていて,それぞれの場面を切り取ってもポスターになりそうなクオリティとなっている。

声優も素晴らしく,原作の漫画を読む際には彼らの声が再生されてしまうくらいピッタリである。そして,言わずもがなの音楽。Creepy Nutsの「オトノケ」は中毒性のある音楽ですでに世界的に(!)ヒットしている。オープニングの動画も最高である。サイケっぽく目を惹きつけられる。

とにかくヒットする要素ばかりの作品なのである。肝心のストーリーも,主人公二人の甘酸っぱい恋愛感情を軸に妖怪と異星人が入り乱れるハチャメチャな展開で,スピード感がある。原作は,ゲームの世界に入り込むところまで読んだけれど,ちょっとそこでは一休みしているような感じもしたけれど。。。

どうも第2期が決定しているらしい。来年とのことである。来年は,「チェーンソーマン」,「鬼滅の刃」などもあることだし,アニメの続編が目白押しになりそう。

#「デデデデ」のアニメシリーズを観るためにネトフリに入るべきか...

2024年12月30日月曜日

光る君へ

 今年の大河ドラマも終わってしまった。

「光る君へ」

正直,放映が始まるまであまり期待していなかった。なぜなら,まず設定が雅な平安時代である。主人公が紫式部だという。あの平安時代になにを観て盛り上がるのか,疑問があった。そして「大河の華」である合戦シーンがないということも不安要素であった。

しかし,その期待は良い方に裏切られ,たいへん面白かった。少しは緊張感が途切れるかと思ったけれど,個人的にはずっと集中力をもって番組をみることができた。内容は主に,恋愛と政権闘争。特に政治に関わる権力争いが思いのほか面白く,「鎌倉殿の13人」の小栗旬ほどではないにしても,柄本佑演じる藤原道長が政治のために清濁を併せ飲んでいかねばならず,それを一年かけて描いていくのが大河ドラマの醍醐味であろう。

そうなのだ,大河ドラマでは一年をかけて人が変容していく姿が描かれる。それを視聴者である私たちは,共感あるいは反感をもって観察し続けていくのである。1クォーターの番組では得難い面白さである。

藤原道長だけでなく紫式部もそうである。ふたりは大人の恋愛,というかソウルメイト(あまり好きではない言葉だけれど,”深い絆でつながった同志”という意味で)の関係を続け,成長とともに変化し続けた。作品では紫式部は最後いったい何歳だったのだろうか?あっという間の生涯だった。清少納言や赤染衛門,和泉式部などドラマならではの設定,エピソードも面白く取り入れられており,飽きることなく観ることができた。そして,黒木華,瀧内公美らの愛憎劇にも打ち震えた。大石静の脚本が良かったということなのだろう。

そしてぜひ特筆したいのが劇中の音楽である。なんてシンフォニックな,いや協奏曲的なテイストの劇伴だっただろう。いずれの音楽もなにかの協奏曲の一部が抜き出されたかのように聞こえた。時にちょっと音楽が印象的すぎる気もしたけれど,本作品で音楽の素晴らしさは特に印象に残った。

結局総括すると,今年の大河ドラマもたいへん面白く,不安は杞憂であった。さすが大河ドラマ。そうそう失敗作はない。

来年の「べらぼう」に対しても実は相当な不安を持っている。あの時代のメディア王の話を私は見続けることができるだろうか。。。脚本は森下佳子。実は彼女の作品はほとんど観たことがないのだけれど。。。

2024年12月14日土曜日

アイアンマン3

 実は,第1作第2作に続いてアイアンマンの第3作目も観た。これはアベンジャーズ第1作目の後の話になっている(マーベルシリーズは時系列がややこしい)。

「アイアンマン3」(2013年)

本作では,ぞれまでにあまりにアイアンマンがヒーローになりすぎたためか,アベンジャーズにおける異星人との闘いのあとトニー・スタークが神経症になっているという設定である。この神経症は知り合った子供によって救われることになる。また作品はトニー・スタークの過去の傲慢な行動に関する因果応報の物語になっている。なにか,いかにもハリウッドらしいストーリーである。

私はシリーズを観ていてもあまり気にしていなかったけれど,敵組織である「テンリングス」と「マンダリン」の素性が明らかになっている。「マンダリン」の方はちょっとがっかりしたけれど。アカデミー賞受賞の名優ベン・キングズレーの無駄遣いだよ!と思った。「テンリングス」の方は,のちの作品「シャン・チー/テン・リングスの伝説」につながるのだろうか?

さて今作もアイアンマンのバーゲンである。一体何台のアイアンマンが登場したのか?とにかく多数のアイアンマンが敵の強化人間と戦う。観ていて疲れるくらいである。どれがどうなのか,よくわからなくなってくる。しかし,お金がかかっている映像だということはよくわかる。最後の結末で,ペッパーが解毒剤で治るというところがあまりにも安易なことも,まあハリウッド流のハッピーエンドなのだろう。

今作は,トニー・スタークの成長の物語という位置づけなのだろうけれど,これがどのようにアベンジャーズの話につながっていたのか,ちょっとそこがよくわからなかった。評価はちょっと厳しめ星3つ★★★☆☆。もう少しワクワクとドキドキが欲しかった。


2024年12月8日日曜日

モンスター

 テレビドラマ「モンスター」(フジテレビ,月曜22時~)を観ている。

主演は朝ドラ「ブギウギ」の好演が記憶に新しい趣里。今回は少しネクラでオタク気味な,しかしとても有能な弁護士役を演じている。彼女の頼りないバディの弁護士をジェシーが,そして趣里の父親である弁護士を古田新太が演じている。

何気なく第1話を観て面白いドラマだと思った。もっと軽いストーリーかと思っていたけれど,なかなかひねりが効いていて,結末も単純な性善説では終わらない。第1話では,カウンセリングを受けていた女性が自殺した話が描かれるのだけれど,最終的には罪には問われなかったけれどカウンセラーが自殺を教唆していたことが明かされた。最後に一刺しを忘れない怖いドラマである。

第2話以降は,そこまでの怖さはないけれど,やはり一筋縄ではいかないストーリーばかりで気楽に観ることができない作品になっている。また途中から登場した主人公の父親の弁護士役である古田新太の不気味さが気になる。彼の背景なども謎だし,主人公との因縁も明らかになっていない。これから終盤にむけての展開が楽しみである。

そして主人公を演じる趣里の演技が面白い。少し幼さを残している容貌と反対にやっていることは犯罪ギリギリの調査である。目のクールさがよい。笑っていてもどこか冷たさが伝わってくる。素直に明るく笑えない主人公の表情も,彼女の過去にその原因があるのだろう。一方で,ジェシーのドジさがその暗い雰囲気を中和してバランスをとっている。ジェシーと趣里が並ぶと身長差が大きさが際立って,二人のデコボコさを表していて魅力的である。

これからもドロドロとした話が続くのだろう。それでも最後は勧善懲悪で終わって欲しいと思っている。うまくいけば続編も期待できるのではないか。そんな可能性をもった作品である。

2024年12月7日土曜日

嘘解きレトリック

 テレビ番組「嘘解きレトリック」(フジテレビ,月曜21:00~)を観ている。

主演は,鈴鹿央士と松本穂香。探偵と「嘘を聞き分けられる」女の子である助手の事件簿である。原作は「花とゆめ」掲載の少女漫画らしい。そうした出自がよくドラマにも出ていて,ところどころに甘酸っぱい探偵と助手のエピソードが散りばめられている。私はもうそんな胸がキュンとするような年齢ではないけれど,中高生がみたら楽しめるのではないだろうか。

「嘘を聞き分けられる」能力は便利そうだけれど,この世界で生きていくにはつらすぎる能力であることは容易に想像がつく。その心の傷つき方をわかりやすく松本穂香がピュアそうに演じている。一方,たとえ嘘を聞き分けられてすぐに犯人がわかっても,みんなが納得できるような推理が必要である。そのストーリーを貧乏だけれど「できる」探偵が構築するのである。ここで鈴鹿央士がその探偵役をまるで王子様のように演じている。一種の探偵バディものだといえるだろう。

解決される事件のトリックは特に込み入ったものではなく(町の人たちのけんかをおさめるというような小さな事件も描かれる),ドロドロした話は少ないので,気楽に観れるのがこのドラマの良いところだと思う。決して悪い意味ではない。こうした気楽に観られる番組は世の中に求められているのだと思う。だから私も毎回飽きずに観ることができている。

しかし,このドラマの感心すべきところはセットである。舞台設定が明治or大正の架空の街なので時代考証が必要であるし,街並みだけでなく道行く人たちの風俗も当時を再現しなければならない。それがそれなりにできているのが素晴らしい。決してチープな感じはしないで当時の世界観をつくりあげている。少年少女向けの物語であるけれど,そのあたりで手を抜いていないことがドラマのクオリティを上げている。

月9の枠は少し年齢が上の世代向けのドラマが多かったけれど,今回のような中高生向けの作品もときどきやってもよいのではないか。若い人たちのテレビ離れが話題となっているけれど,こんな作品があれば少しはテレビに引き留められるかもしない。

シリーズ最終段になって少し怪しい雰囲気もでてきたけれど(ラスボス?),良い意味で気楽に楽しむことができる良作だと思う。

#鈴鹿央士もとうとう月9の主演をはれるところまできたか,と思うと感慨深い。広瀬すずがきっかけでスカウトされたというエピソードが素敵。

2024年12月1日日曜日

ヒルコ,そして諸星大二郎「妖怪ハンター」

 今,テレビドラマの「全領域異常解決室」が面白いのだけれど,主人公の神様たちの敵はヒルコということになっている。このドラマで初めて「ヒルコ」を知った人も多いのではないかと思う。

この「ヒルコ」は普通は神様に含めないことになっていたと思うのだけれど,神に含めることにすると,イザナギ,イザナミが生んだ最初の神ということになる。古事記では,確かイザナギ,イザナミの子作りの儀式の順番(女神であるイザナミからイザナギに声を最初にかけてしまった)を間違えてしまったからか,(成長が?)良くないといって海に流されて捨てられてしまったことになっている。

海に流されたこと,また「蛭子」が「えびす」と読めることから,海から恵みを与える神様として,えびす様と祀られているところもある。ただし,海から流れ着くものが人間にとって益する「恵み」だけであるとは限らない。へんなものもあるはず。。。このあたりは,諸星大二郎の漫画のテーマにもなっているので,興味のある人はぜひ読んで欲しいと思う。確かに「えびす」の恵みは「良いこと」ばかりではないのである。

さて,諸星大二郎の漫画には「ヒルコ」をテーマにした有名作品がある。それが,民俗学者・稗田礼二郎の活躍を描く「妖怪ハンター」シリーズで,ヒルコが出てくるのは記念すべき最初の作品「黒の探究者」である。この作品を読んだとき,どこか不気味さをもつ絵柄と考古学という組み合わせが強く印象に残って,その後,妖怪ハンターシリーズは私の大好きな漫画シリーズとなった。

実はこの作品は映画にもなっている。「ヒルコ/妖怪ハンター」(1991)。監督は当時「鉄男」(AKIRAではない)という作品で話題になっていた塚本晋也。そして主演はなんと沢田研二なのである。彼は「太陽を盗んだ男」みたいなシリアスな映画ばかりに出るのかと思っていたけれど,このようなB級ホラー(失礼。)にも出演するのかと驚いた覚えがある。今見るとチープな感じがする特撮が使用されているのだけれど,実は当時も「チープだな」と思った記憶がある。まぁ,和製のB級ホラーが好きな人はぜひ見て欲しい。全然怖くない。

ということで,「ヒルコ」はホラー作品の題材になるほど謎の存在で,あるところでは恵比須神であり,あるところでは人間に害なすものとして描かれている。「全領域異常解決室」でも神に捨てられた出自からか神々と敵対する存在になっている。今後,どのように取り扱われるのかわからないけれど,この作品で「ヒルコ」がメジャーになって,私的には少しうれしい。

#ネットで調べてみたら,なんと現在,この「黒い探究者」を無料で読めるらしい。諸星大二郎の世界へぜひ。

https://ynjn.jp/viewer/2241/108092

#漫画「妖怪ハンター」シリーズのどこかの作品で,主人公の稗田が沢田研二に似ているなどというセリフがあって,少し笑ってしまった。

#「妖怪ハンター」シリーズでは,もう一作品映画化されたものがある。「奇談」であり,こちらの主演はなんと阿部寛。東北のキリスト伝説が題材になっていて,ストーリーは面白いのでおススメ。

人への話しかけかた

 私は少なくない頻度で,見も知らない人に話しかけることがある。もちろん一番多いのは,学生相手だけれど,街中でも知らない人と会話を始めることが結構な頻度である。 街中では話しかけられて会話が始まることが多いけれど,学内では学生に私から話しかけることが多い。他愛のない話をするのである...