2009年6月29日月曜日

ちるみゅー

週末は,家族で篠山の
この通称ちるみゅーは,山の中の廃校を利用した
子供のための施設で,別に遊園地のような
すごいエンターテイメントが用意されているわけではない.
広い運動場,入って遊べる里山,
昔ながらのメンコなどのおもちゃ,
あるいは自然素材のおもちゃなどがあるだけである.

けれど,うちの子供たちは(親たちも)大好きな場所である.
子供というのは,時間と道具さえあれば,
なにかしらの遊ぶ方法を見つけるものである.
ジェットコースターがなくたって,
TVゲームがなくたって,
楽しむ方法は百もあるのだ.
(まぁ,うちではあまりTVゲームはしないけれど)

今回はピザを作るワークショップに参加した.
子供たちは生き生きとして,
初めてピザの生地をのばしたり,
包丁で野菜やベーコンを切ったりして
料理を楽しんでいた.
ピザは校庭の隅にある窯で焼いてくれる.
この暑い中,汗をかきかき窯の中を見る.
煙が立ち上るもの見る.
こうやって子供たちはピザが焼かれるという
ことを知る.
(家では到底窯では焼けないし)
ボランティアの人たち(おとなりスタッフと呼ぶらしい)も
本当に親切で,恐縮する.
安心して子供を任せることができる.

昔,小学生の頃,学校から勉強がなくなれば
いいのにと思ったことがある.
ただ友達と遊ぶための場として
学校があればいいなぁ,と思ったのである.
(多くの小学生がそう思っていただろうけど)

ちるみゅーの基本的なコンセプトは
これではないかと思う.
つまり,学校を遊びのためだけに開放する.
その中で遊ぶ方法は子供たちに任せる.
そんな昭和の時代の,
性善説で子供たちを語ることができる頃の
(大人たちの)夢がそこにある.

外部からの刺激に受動的に反応するだけに
慣れきった現代の子供たちに,
そうした夢をもう一度託してみたい.
そんな郷愁も感じる施設である.

ただそんな大人の押し付けがましい
感傷だけで成り立っていけるほど甘くはない.
今,ちるみゅーは存続の危機にあるらしい.
私たちのような県外からの利用者が多いことも
問題になっているという.
(ちるみゅーは市立であり,税金が使用されている)

子供たちは,体験すれば楽しいと思うのだけれど,
その体験するという機会を自分から求めることが難しい.
あとはその価値を認める親たちが,
積極的に体験の機会を作ってあげるしかない.
しかし,その親たちも刺激に受動的な
現代のエンターテイメントに慣れきっているのである.
子供たちに任せて遊ばせるということに
思いが及ばないのではないか.

とはいえ,私は子供たちが遊んでいる間
何をしていたかといえば,
芝生の木陰に敷物を敷いて,
寝転んで文庫本を読んでいただけだったりする.
目が疲れたら,はっきりとした山の稜線に
視線を移す.
蜂のうなりが遠くに聞こえる.
残念ながら運転手の私はビールを
飲むことはできなかったのだけれど,
それでも90%程度の至福を感じた時間であった.
(もちろん,お弁当も最高に美味しかった)

こんな素敵な場所がなくなるなんて,悲しすぎる...
ぜひ継続にがんばってもらいたいと思う.

1 件のコメント:

  1. はじめまして。
    私も県外の利用者です。3歳と6歳の娘がいて、ちるみゅーが大のお気に入りなのですが、今日遊びに行ったら・・・・
    来年度以降閉鎖かも、というチラシが置いてありました。
    私もちるみゅーを応援したいと思い、ちるみゅーファンの声を集めています。

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