2020年11月4日水曜日

キース・ジャレットの新しいクラシック作品の録音を待っている

 キース・ジャレットが2度の脳卒中で今後の演奏活動が難しいとのニュースを見た。なんということだろう。彼は1990年代半ばの50代に慢性疲労症候群を患い,しばらく演奏活動から遠のいていた。3年ほどの休養をとってまた復活したとのことだったが,75歳の彼にとって今度の復活は難しそうなのだろうか。それは全く残念である。

キース・ジャレットといえば名ジャズピアニストであるけれど,私にとっては彼の弾くクラシックの音楽が馴染みが深い。私にとっては彼のジャズピアノは少し苦手で,名盤と言われる彼の「ケルン・コンサート」もCDを所有してはいるけれど,実はまだ最後まで聴き通したことがない。申し訳ないけれど。

しかし,彼のクラシックの鍵盤曲は私は大好きである。

たとえば,バッハのゴルトベルク変奏曲。グレン・グールドを始めとしてこの曲には名盤が多いのだけれど,演奏者の個性が前に出すぎて聴くのがちょっとつらい録音も少なくない。しかし,彼のゴルトベルクはなんというか,味付けがほとんどないように感じられる。自然にただ弾いているだけである。しかし,それがいい。押し付けがましさがないから,何度でも聴きたくなる。ピアノではなくチェンバロなのもいい。事実,私が10枚以上所有しているゴルトベルクの録音の中で,最も多くプレーヤーに乗ったのは,彼のディスクである。

彼は他にも平均律クラヴィーア曲集やフランス組曲などの録音を残している。そして彼のクラシック作品の録音はバッハだけではない。ショスタコーヴィチ,モーツァルト,ヘンデルなどの作品も演奏している。私もいつかそれらの録音を所有していたいと思っている。

彼のニュースを聞いて,また彼の録音が聴きたくなった。もう彼の新しい録音は発売されないのであろうか。ほんとうに寂しく思う。

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