2022年10月8日土曜日

心を整えることの意味:「整える習慣」

 最近,サウナブームということで「ととのう」という言葉が流行っている。心と身体がリラックスするという意味で使われているようだ(「ねづっち」の謎掛けではない)。

ちなみに私はサウナは苦手なようで,少しの時間入るだけで暑さに耐えられなくなる。あるスーパー銭湯のサウナに入ったら,床面が熱くてその上を歩くことさえできずにすぐに退散したくらいである。

さて,サウナで整うのとは別に,日頃の生活の習慣を気をつけることによって自律神経を整えようというのが,今回紹介する本の趣旨である。

「整える習慣」小林 弘幸 著

仕事や運動の調子がいい,というのは主に自律神経が正常に働いている状態を言うのである。仕事に集中できるとか,身体が軽いとか,体力にも影響されるが,自律神経にも大きく影響されている。いかに自分の100%のパフォーマンスを発揮するために,自律神経を整えていくか。それがこの本のテーマになっている。そうした項目が108個紹介されていて,それらを通していかに心と身体が密接な関係にあるかを知る。

この本を読んで一番驚いたのが,怒りによって一度自律神経が乱れると再び落ち着くのに3~4時間かかるということである。私なんて短気だからすぐに怒ってしまうのだけれど,そのたびに心が乱れパフォーマンスが落ちているかと思うと反省することしきりである。

私が稽古している「心身統一合氣道」では,この心と身体の働きについて非常に丁寧に教わることができる。心と身体の密接性については「心身一如」を前提として稽古の内容が組まれていて,まさにこの心を技を通して整え最高のパフォーマンスを発揮することを目的としている(だから多くのアスリートが学んでいるという)。この本を通して,私が稽古している合氣道との関係性を強く感じた。そんな形而上学的な崇高な事柄ではなく,日常の具体的な心がけ,行動を通じて,自分の心を整えていく。そのことの意味をあらためて考えるきっかけになった。

座禅や瞑想,中国の武術では,「調身,調息,調心」と言われる。結局のところ,自律神経を整えることに関係している。日頃のちょっとした心がけが,その秘奥につながっているのだということを本書を読んで再認識したのである。

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