この年齢になってあまり多くの本数のアニメは観ないのだけれど,今期観ようと思っている作品の一つが,
「チェンソーマン」(原作:藤本タツキ)
第1話を観たけれども,非常に絵が美しい。3Dの背景と2Dの登場人物たちがあまり違和感なく融合した画となっている。アクションも素晴らしいし,細かい描写も手を抜いていないように思える。非常にクオリティが高くて感心した。そして,たぶん多額の制作費がかかっているものと想像し,その費用の回収はどのようになされるのか心配になった。MAPPAがつぶれるほど疲弊しなければいいのだけれど。
原作は,ずいぶん以前に2巻(?)まで読んだ。その後は読んでいない。なぜか。それは物語が切なすぎるからである。私は悲しみで胸が締め付けられる切ない話が苦手なのである。このチェンソーマンに出てくる登場人物はそれぞれに背景があって,切ない思考・切ない行動をしている。主人公のデンジなんて,現代人のつらさそのものを背負っているようだ(デフォルメされてはいるけれど)。友達であった悪魔ポチタとの交流も切ない。ありえないような純粋な関係が描かれている。こうした物語を読むうちに私は胸が痛くなって,漫画から少し距離をおいたのである。
しかし,この原作者「藤本タツキ」は本当に才能がある。それを感じたのはチェンソーマンもそうだったけれど,「ルックバック」という読み切り作品を読んだときには,その素晴らしさ,切なさに感動した。この作品については私が述べるまでもなく,多くの人が絶賛していたけれど,本当に素晴らしい。この数年で一番感動した作品かもしれない。
「感動するということは,心に引っかき傷をつけることだ」,と誰かが言っていたけれど,藤本タツキの作品はまさにこれを実現していると思う。読むと切なくてつらい。だからずっと感動が残る。そんな作品を彼は生み出している。このまま多くの作品を描き続けてほしい。世間や出版社につぶされることなく。
「チェンソーマン」は今後も見続けたいと思う。私は3巻以降は読んでいないけど,第1部は完了しているはずである。まずは第1部最後までアニメ化して欲しい。関心がない私世代の人にもぜひおすすめしたい作品である。
#しかし,ジャンプって,同時期に「チェンソーマン」,「鬼滅の刃」,「呪術廻戦」を連載していたのか。すげぇ。
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