今期観ているドラマでとりわけ異色なものが「湯遊ワンダーランド」である。漫画をドラマ化したものらしいのだけれど,もともと話がヘンなのに加え,主演のともさかりえの演技が攻め過ぎている。私は毎週楽しみにしているのだけれど世間的にはあまり話題になっていないので,ぜひここで紹介したい。
ともさかりえ演ずる「きつこ」は冴えない漫画家。行き詰まった状況を打破するために,弟に勧められてサウナに行く。そこで「整う」体験をして以来,あちらこちらのサウナを巡って,そのたびに(おかしな)気づきをしていく物語である(?)。
とにかく世界観が不思議。シュール。そもそも第1回目にきつこがサウナに行くのも「松果体」を覚醒させるためだし,彼女の考える漫画のネタも「ハンバーガーから生まれた少女が自分の出自に向き合うマンガ」などと言っていて,全くヘンなのである。出てくる人たちも相当に変わっていて,サウナのヌシと呼ばれるおばさんや樋口日奈演じるコミュ障でエロの上級者のアシスタントなど,本当にいたら付き合うのがつらそうな人ばかり。
一番おかしくて怖いのがきつこの弟。きつこにサウナを紹介するなど姉思いかと思わせておいて,鋭い批判的な言葉を姉に投げつける。このドラマ内で笑うこともしないし,私にとっては一番怖い,底のしれない人物である。
そして,このシュールな番組を成立させているのが,ともさかりえの怪演である。ひとりごとのセリフが多いのだけれど,かなり目つきがおかしい。笑顔もおかしい。とにかくおかしい。ともさかりえの演技力が素晴らしい。でも近くにこのひとがいたらかなり怖い。
ともさかりえもそれなりの年齢になったし,確かお子さんもいらっしゃったはずである。相変わらず魅力的なのだけれど,今回はなにか吹っ切ってやっている感じもする。「金田一少年の事件簿」の頃の可憐な彼女が懐かしい。
全然話題になっていないので,ぜひ紹介したかった。新潟ではあいかわらず放映されていなさそうなので,Tverでぜひどうぞ。
#笑ったのが,きつこが好きなアーティスト「月野源」。これが微妙に「星野源」していて,その狙いどころが微妙すぎて悶絶した。
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