パワーエレクトロニクスに関係している人たちは、「Ripple(リプル)」という言葉に敏感である。パワエレでいうところのリプルとは、基本的に直流に重畳する交流摂動成分をいう。
本来、きれいな直流電流・直流電圧が欲しいのに、回路動作が原因で,その直流成分の上に交流成分が重畳し、周期的に振動する。例えばインバータの直流リンク電圧においてこのリプルが大きくなると、インバータの出力電流のひずみが大きくなったり、コンデンサが過熱して寿命が短くなったりするやっかいな問題の原因となる。だから、パワエレの技術者はこのリプルの取り扱いに留意して電気回路を設計することになる。
しかし、この「リプル」のもともとの意味は「さざなみ」である。パワエレ技術者にとってはネガティブなイメージがあるこの単語ではあるけれど、一般的には美しいものと考えられていて、気づくとあちらこちらに「リプル」という名前のお店を見つけたりする。
長岡技術科学大学から車で40分ほどのところにある海が見える出雲崎の道の駅「天領の里」にも「さざなみ」という名前のアイスやコーヒーを販売する店がある。看板には確かに「Ripple」と書かれている。これを見たときに私は現実に引き戻され、美しい海の印象がしぼんでしまった...
道の駅「天領の里」のお店「さざなみ」の看板 |
先日はまた、N市で「リプル」の名前をもつ美容室を見つけた。興味を持ったのでネットで少し調べてみると、細かいパーマをかける「ソバージュ」が得意らしい。そしてそのパーマの度合いは、THDの大きさで指定するらしい。パワエレ関係の女子の御用達なのだろうか。恐るべし。
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