2024年6月23日日曜日

老いと姿勢

 私たちは,顔や姿を見なくても人のシルエットを見てその人が子供か若者か,もしくは老人かをだいたい判断できる。歩くスピードや歩幅などで判断することもあるが,だいたいはその姿勢から判断しているのではないだろうか。

若い人と老人との違いは,特に上半身の姿勢に表われる。すなわち,若い人の立ち姿は背筋が自然に伸びているのに対して,年齢をとるにつれて前傾,あるいは後傾する不自然な姿勢に近づいてくる。体幹の筋力が低下していることの表れなのだろう。

たしかに体幹の筋力が弱くなってくると,姿勢が悪くなるほか,歩き方でも歩幅が狭くなったり,バランスが悪くなって上半身が左右に揺れながら歩いたりすることになる。当然転倒することも多くなる(さらにいうと太る)。

ということは,自分の身体年齢を若く保つには姿勢に気を付けることが大切であると考えられる。体幹を中心にトレーニングする方法も盛んに本やネットで紹介されているけれど,まずは日頃の姿勢に気を付けるだけで大きく変わるのだろうと考えている。立ち姿,歩く姿,そして椅子に座った時の姿。ついつい癖で仙骨が寝ることによって背骨が曲がってしまい,姿勢が前傾してしまう。これでは,おじいさんの姿そのものである。自分が若者であったらどのような姿勢で立つか,歩くか,座るか,それらに日常的に気を付けることが大切なのだろう。特別なトレーニングはせずとも,毎日の生活の中で体幹を鍛えることは可能だ。老いのスピードは毎日の心がけにかかっているようである。

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