アニメの超名作に間違いない「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」。3月に前章を観て,後章が待ち遠しくてようやく観ることができた。
正直,前章を観たときのような衝撃はなかった。しかし,前章の謎解きがうまくされているし,そしてそれでも内容は衝撃的で,記憶に残る良い作品だった。前章の謎解きがされていくのだけれど,登場人物(の主人公に限らず誰でも)のどうしようもならないつらさは変わらない。特に主人公のおんたんの心情を考えると胸が痛くなる。「僕は門出の"絶対"だから」というセリフも門出が「絶対」以外にはなりえない過去を背負っていることを思うととても切ない。
前章,後章を観て思ったのは,私たちは明日地球が滅ぶとしたらなにをするかということである。前章でおんたんの兄のヒロシがこう言っていた。
「もしなにかが起きたとき、俺たち凡人は受け入れるしかないんだ」
だからこの映画の世界では,空に侵略者の母船が浮かんでいたとしても,人々はそれまでと変わらない日常生活を送っている。こんな状況下だったら,私は何をするのだろう。
私たちは毎日,明日が来ることが当然のように暮らしている。しかしそれは世界の現実から目をそらして生きていることに他ならない。明日,突然私の命が終わってしまう可能性だってあるのだ。映画のシチュエーションはそれが侵略者の母船として顕在化された世界であった,私たちのこの世界と変わらない。明日死ぬかもしれない毎日を生きている私たちは今日をどうやって生きるべきなのか。
そしてヒロシはこう妹のおんたんに問いかける。
誰かを守るんだ
その誰かを最後の最後まで守り抜け
その気持ちは 何にも代えがたい強さになる
だとすればお前は、誰を守る?」
本作品では,特に侵略者との闘いで目を背けたくなる場面が多くPG12に指定されている。心が傷つけられるような残酷さが,門出やおんたんたちの日常生活と対比されるように描かれている。そして最後のクライマックス。東京が消滅し次々と大切な人が亡くなっていく中で,でんぱ組.incの「あした地球がこなごなになっても」が流れるシーンは本当に衝撃的だ。私はぐちゃぐちゃな気持ちでスクリーンを見ていた。
最後に大事な人たちを失った人々がまた日常生活を続けているシーンが描かれている。それがこの作品の問いかけに対する回答なのかもしれないと思った。
評価は★★★★☆(星4つ)
#侵略者たちが防護服の下の正体を見せるシーンはゾッとした
#今作は特におんたんの心情が描かれることが多かったのだけれど,声優をつとめたあのちゃんの才能に驚いた。前章の幾田りらとともにこのキャスティングは神。
#やはり原作の結末が気になる。。。
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