2024年6月1日土曜日

日本怪奇ルポルタージュ ~こんなに重い内容の番組がテレ東にあるなんて~

 新潟にはテレビ東京系列の地方局がなく,テレ東Bizなどは残念ながら見る機会が少ないのだけれど,個人的にはテレビ東京の番組は結構好きである。

最近では,「伊集院光&佐久間宣行の勝手にテレ東批評」という番組を動画配信Tverで楽しみに見ているのだけれど,そこで紹介されていた「日本怪奇ルポルタージュ」がすごい番組であるのでぜひ紹介したい。

「怪奇」といってもオカルトではなく,「いじめ」,「ヤングケアラー」,「家庭内虐待」などの現代日本の複雑な問題を取り上げ,そのドキュメンタリー取材のビデオをコメンテータが見てコメントする30分の深夜番組である。佐久間亘行が出演をしている。

これまでに7回放送されていて,残念ながら私は第1回と第2回(9浪の末,娘が母親を殺してしまった事件などを取り扱った回と芸人Zazzyの家庭内教育虐待の回)を見ることはできなかったのだけれど(なんと初回は1月1日の深夜に放送されていた),とにかくすべての回が内容が重すぎる。とてもうわついた心で楽しむような番組ではないのである。

例えば「ヤングケアラー」の回は平成ノブシコブシの徳井の母親と妹の面倒をみていたという話で,見ていてとても胸が痛くなった。他の家庭を知らない子供は自分の家庭が特殊であるということに気づかずに,家族の面倒をみることに疑問を持たず過酷な状況に陥るということがよく理解できる回だった。

「ネットミーム」の回はまだマシだったけれど,「逃亡を続けていた爆発犯が最後に名乗り出た話」や最終回の「京都アニメーションの犯人のやけど治療を行った医者」などの回はじっと画面を見つめてしまうほどの重さだった。

この番組の特徴はこの内容の「重さ」である。取材ビデオを見ることによって視聴者はもう逃げることができなくなってしまう。答えは出ない問題であるけれど,なにかしらの自分の考えを問われる番組なのである。しかし,「重さ」のわりにそれほど「暗さ」や「絶望」を感じない。それは番組の構成,編集のおかげなのだろう。内容の暗さに視聴者がもう二度と見たくないと思わせないくらいのギリギリのラインで番組は作られている。

今まで知らなかった方には,ぜひ知ってほしい,良質な番組であると私は思う。ただ,残念ながらこの番組は1月1日深夜に初回の1回,そして4月4日~5月9日まで6週連続で放映されて,その後の放映の予定は公表されていない。この先どうなるのか。しかし,私としては期待を大にして続編を待ちたい。


#佐久間宣行氏はお笑いだけでなくこのような番組も向いているのだなと思う。興味深い人だなと注目している

#伊集院光氏は私と同い年なこともあってか,彼の感性で話される内容について共感することが多い。彼の出る番組もついつい見てしまうものが多い

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