2026年2月28日土曜日

丹田という概念

 私が稽古している合氣道では,「丹田」ではなく,丹田を一点に集約した「臍下の一点」という体内の点を重要視する。すなわち「臍下丹田」の「臍下」であり,臍下三寸くらいのところと教わる。しかし,一般的にはそこまで細かいことを言わず,「丹田」全体に言及する武道が多いだろう(丹田を重要視するのは武道だけではないけれど)。

「丹田」は通常はこのように下腹の部分を指し,よく,大事な時には「下腹に力を入れろ」などと言われたりする。しかし,この丹田という概念が実はあいまいなのではないかと思っている。そもそも「丹田」という概念を言い出したのは誰なのだろう?

この「丹田」も「上丹田」「中丹田」「下丹田」などに分かれて解説されることがある。私の理解では,「上丹田」は額の中心の「天帝」とも呼ばれる場所(お釈迦様の白毫の位置)であり,「中丹田」は「膻中」付近の場所,「下丹田」は下腹である。それぞれ心や気の修行には重要であるとされているが,昔の武芸書を読んでみて「丹田」ではなく「上丹田」「中丹田」「下丹田」などと分類されているものを見たことがない。これらの概念は誰が言い出したものなのだろうかと不思議に思っている。もしかすると近代以降,中国やインドの知識が入ってきてからの概念なのではないかと考えている。

さて,私が稽古している心身統一合氣道では,力を抜くことを重要視する。普通に丹田を意識すると確かに下腹に力が入りやすい。それは面積をイメージするからである。意識するのが点であるならば力の入れようもなく,全身の力も抜ける。なので「臍下の一点」に心をしずめるのである。たいへんよくできた指導であると思っている。









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