2007年5月24日木曜日

アルバイトを言い訳にするな

学校に来ない,
あるいは研究が進んでいない,
そんな学生が毎年いる。
そういう学生に理由を聞くと,

「バイトが忙しくて」

などと答えることがしばしばある。
(というか,かなり多い)

では,この学生は大学は卒業しなくてよいのだな,
と思ってしまう。

大学に入ったのは何のためか?
勉強をして卒業するのが目的ではないのか。
バイトで学業をおろそかにするのならば,
本末転倒もいいところである。


確かに,バイトは魅力的だ。
自分で仕事をして収入を得る。
大学とは全く違う環境で,自分の力を試せる。
そして社会勉強になる。
バイトと勉強を比べれば,
バイトの方がたぶん魅力的なのだろう。

しかし,ここに落とし穴がある。
人間は目の前の仕事をやることに対しては
心のハードルが低い。

忙しい,忙しい,といって,
自分の目の前の仕事をあくせくとこなすことは,
実は比較的心理的には楽なのである。

バイトはこのような状態にある。
目の前に仕事が与えられて,それをこなしていく。
収入が得られれば充実感もあるし,
自分がなにがしかの役割を果たしているという満足もある。
だが,それはあくまでも目前の仕事を
こなしていることにすぎない。

一方で,勉強は心理的ハードルが高い。
成果がでるのは,ずいぶん先のことだし,
なんのために勉強しているのかわかりづらい。
試験で単位が取得できたとしても,あまり感慨がない。

(一般に仕事でも,日々の仕事をこなすのは比較的楽なのだ。
しかし,将来の自分やプロジェクトのための
スキルアップや準備といった仕事に対しては,
心理的ハードルが高い)

しかし,学生時代に一番大切なことは
将来に向かって力を蓄えることである。

広範な知識を得ることである。

すぐに手応えは感じられないだろう。
しかし,将来の自分に対する投資なのだ。
これを学生時代にしないでどうする,と私は言いたい。

バイトで社会勉強ができる,というのも言い訳に過ぎない。
社会勉強など就職してから嫌というほどできる。
(いや,望まなくともさせられる)
学生時代の社会勉強がどれほど,
真剣勝負の厳しい現場で役に立つというのか?

もちろん,研究に関係した社会実習というのであれば別だ。
これは,インターンという形で学校も推奨している。
しかし,単なるバイトであれば別だ。
将来を見越した学業に比べ,どれだけ価値があるというのだろう。

結局,「バイトが忙しくて」というのは,
学業から逃げる言い訳に過ぎない
のではないだろうか。

「生活費が足りません」という学生もいる。
学校では生活費の面倒まではみることができない。
しかし,教育ローンなどを用いることはできるだろう。
バイトでつぶれる時間をすべて自分の勉強や研究に費やしたら,
たとえ借金をしてでも,それは十分に価値があるのだと思う。
(実際には,そこまでやる気があれば奨学金が獲得できるだろうが)

バイトを否定するものではない。
楽しい学生生活を彩る大切なファクタではある。
しかし,それで単位を落としたり,研究をしないのでは,
本末転倒であるということだ。

いずれにしろ,バイトを言い訳にして
学業をおろそかにするものは,
卒業を諦めるべきなのである

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