2007年9月26日水曜日

温泉で英気を養う (電力システム研究交流会)

月曜日,火曜日と仙台の作並温泉に出張し,
電力システム研究交流会に参加してきた.

電力システム研究交流会とは,大阪大学の2研究室の他,
北海道大学,茨城大学,横浜国立大学の合計5つの
電力システムを研究している研究室を中心として開かれている
学生たちの交流を目的とした会である.

もともとは,FRIENDS (Flexible, Reliable and Intelligent Electric eNergy Delivery System)という高機能な電力システムの研究会が母体であった.
FRIENDSというのは...と,今回は説明は割愛して(笑),
毎年幹事校を決めて,全国のあちらこちらで夏休み中に開かれる.

昨年は大阪大学の私の所属する研究室が幹事で,
青山高原の風力発電所の近くの榊原温泉で開催された.
今年は,横浜国立大学が幹事となって仙台の作並温泉で開かれたのである.(横浜国立大学の皆様,ありがとうございました)

初日は,各研究室が毎年定められるテーマについて発表する.
今年のテーマは「電力・エネルギー問題を解決する21世紀の革新的技術」であった.
学生たちは,自由な発想にて発表を行う.

そして,教員が発言を禁じられているのが,
この交流会の特徴である.
途中,なんども口を出したくなる.
「そうじゃないよ!」
でもぐっと教員は言葉を飲み込んで耐えるのである.
学生たちは先生方の目を気にせず,
言いたい放題できる,それがこの交流会の良いところなのである.

とはいえ,ちょっと常識的な議論が多かったかな,と不満に思う.
もっとざっくばらんに,なにが有力なエネルギー源なのか,
私たち研究者は(大風呂敷を広げて)地球を救うために何をすればよいのか,
そんな議論があってもよかったのではないかと思うのだ.

みな電力・エネルギーを専門としているために,
逆に発想が縛られているような感じがした.
といっても,私もいいアイデアがあるわけでもなく,
だから若い皆さんに期待するのだけれど.

夜は懇親会.
学生,教員たちの交流がメインである.
学生たちは,各研究室で余興を準備し,
披露し,そしてスベっていった(笑).

しかし,ごめんなさい.
私はずいぶんと体調が悪くて,
あまりお酒も飲めなかった.
懇親会の前に,温泉にもつかり,
身体を温めてはみたものの,どうもいけなかった.
湯の中においても,あまりリラックスできなかったのである.
毛穴が開き,頭から湯気が出る,という状態には至らなかった.

風邪気味だったのだろうか.
飛行機の中も,電車の中も,バスの中も,
眠くって,眠くって,仕方がなかった.
懇親会も,最後の方は頭痛がひどくなり,
どうにもできない.
そして,一次会でダウン.
そのまま寝床でぐったりと横になったのだった.

こういう交流会では,ある意味二次会の飲み会がメインである.
それを逃すとは...
夜に弱い私ではあるけれど,少しは参加したかった.
ずいぶんと申し訳ない気持ちでいっぱいだった.

翌日もどうもいけない.
朝6時に温泉に出かけてなんとか復活を試みるが,
露天の岩風呂が女子専用時間となっており,
大浴場でガマン.
やっぱり本調子ではなかった.

朝食後,岩風呂に再トライ.
となりを流れる渓流の水面が,
岩風呂の天井にキラキラと光を反射させているのを見ているうちに,
ようやく身体の緊張がほぐれていく.
う~ん,心が身体に及ぼす影響の大きさよ.
たった10分間の入浴ではあったけれどようやく復調の兆しが見えた.

二日目の午前中は学生からの各々の研究の発表.
昨晩の懇親会で打ち解けたのか,思いのほか質問が出る.
若い人たちも捨てたものではない.

午後は,仙台で行われているNEDOの委託事業,
「品質別電力供給システム」の実証研究のサイトを見学させてもらう.
学生たちにとっては,動いているガスエンジン発電機や燃料電池を,
直接見学することが,大変良い経験になったのだと期待したい.
教科書からは感じ取れない,実物の迫力がそこにある.
こうした迫力は,記憶としてはすぐに薄れてしまうのかもしれないが,
記憶の底でじっと影響を及ぼし続けるのだと思う.
次に「燃料電池」というタームをみるときには,
実物を見る前に想起されるイメージとは
異なるものが想起されるはずである.
やはりモノは見て,そのリアリティを感じるべきなのである.

そんなことを思いながら,午後にはすっかりと私の体調も回復した.
伊丹空港からの帰宅途中,
中秋の素晴らしい月を見ながら,
今回の出張によって,ずいぶんと健康になったなぁと
ちょっと申し訳ない気持ちになっていたのである.

うん,でも作並温泉は良かった.

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