2008年1月21日月曜日

彼らはラーメンを食べるときもそうするのか

先週末はセンター試験だった.
受験生のみなさん(ってこのブログを読んでいる人はいないか),
ご苦労様でした.

初日の土曜日は,私も大学教員のひとりとして,
試験監督に借り出された.
受験生の皆さんも緊張するだろうが,
試験監督も実はかなり緊張する.

事前に説明会が開かれる.
そこで渡されるマニュアルが2冊.
白と緑でそれぞれがかなり厚い.
それとは別に小冊子が1綴り.
そこには詳細に試験時に話さなければならないセリフや,
いろいろな事態に対応するためのマニュアルが
まとめられている.
一応,すべてのページに目を通す.
これだけでも結構な時間を要した.

もちろん受験生が気持ちよく試験を受けることができるよう
私たち試験監督者も努力するのだが,
間違いが起こらないとも限らない.
そうすれば全国紙のニュースとなるのである.
だから私たちも必死である.

特に土曜日は英語のリスニング試験があった.
全国で約50万人がリスニング試験を受験したという.
ひとりひとりがICレコーダを耳につけて,
解答を行うのである.

普通に考えれば,50万個の製品があって
一個も不良品が無いというのは考えにくい.
工業製品であれば,ある確率で不良品が存在するのは
当たり前のことなのである.
また受験生が50万人もいれば,
そのうちの何人かは操作を誤るだろう.
不良品か,誤操作か,
そのどちらかが起こる確率はそれほど低くないことは
容易に理解できる.
そしてそれが自分の監督している会場で
起こらないとは限らないのだ.

だから無事に終了したときには本当にほっとした.
各会場から試験監督者が集まってきたときも,
口々に自分たちの幸運を喜んだ.
今日は,祝杯をあげよう,と.

ところで,私が監督した会場には30名の男子がいた.
そこで驚いたのが,試験を受けるために,
ヘヤピンやカチューシャをつけている男子が
何人かいたこと.
髪が前に垂れるのが嫌なのだろう.
前髪を横に留めるためにヘヤアクセサリをつけているのだ.

合理的だと感心したけど,
男がそうしたものをつけるのは
恥ずかしくないのだろうかとも思った.
私は昔から髪を長く伸ばしたことはないのだけれど
(武術的に不利だし,なによりもシャンプー代がかさむ!)
もし自分が長髪だったとしても,
そんなアクセサリはつけないのではないかと思う.
やっぱり恥ずかしい.

しかし,最近の若者はそうではないらしい.
それは,ヘヤピンやカチューシャをつけている受験生が
複数見受けられたことでもわかる.
そうした髪型がカッコいいと思っている男たちは,
ヘヤピンをつけることなどが恥ずかしいことだとは
思わないものだろう.
(若い人の感覚はもう私にはわからない)

私は生理的にダメである.
特に理由はないので,「生理的に」ということである.
だが,そうした受験生を見て私の感覚が
ずいぶんとずれてきているのだということだけは
実感することができた.

だが,私たちは彼らに問いたい.
君たちはラーメンを食べるときも,
ヘヤピンで髪を留めるのか,と.
やっぱりそれはかっこ悪いと思うのだけど.

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