2008年1月24日木曜日

理想の仕事はどこにある

吹田キャンパスでも今日は小雪が舞っている.
とにかく寒い.
午前中の講義のために,生協で貼るタイプの
携帯カイロを購入した.
腰に貼って講義に臨む.
学生のみなさんには寒さなど全然堪えていないよ,
と平気な顔を見せながら,
なんとか半年間の電気機器の講義を終える.
みんなどれだけ理解してくれただろう.
試験結果が楽しみである.

さて,昨日は関西のある大手電機メーカの工場を
見学させていただいた.
世界を相手に戦っている会社の勢いと覚悟を感じて,
こちらもよ~し,と大いに発奮させられた.
頑張っていこう!

そのメーカには昨年の4月に就職した,
この研究室出身の新人がいて,
昨日も私たちを案内をしてくれた.
まだ初々しさが残るけれど,
ずいぶんと頼もしさを感じるようにもなっていた.
いや,感激.

おとといは,電鉄会社に3年前に就職した卒業生が,
リクルートのため研究室を訪問してくれた.
3年も経つからだろうか,ずいぶんと社会人らしい.
学生時代とは異なり,責任ある大人といった雰囲気であった.
彼も職場で鍛えられたのだろう.
(ところで私は何をみて「責任ある大人」という
印象を受けるのだろうか.
外見が大きく変わったようには見えないのだが.
いつかよく考えてみたい)

こうして変わった二人の卒業生を目にすると,
環境が人間に与える影響の大きさを考えずにはいられない.
彼らの人間性だけが変わったわけではないのだろう.
職場も少し変ったに違いない.
職場との相互作用によって人は変わっていく.

人も職場も変わるというのであれば,
就職活動の考え方も少し変るのではないか.
すなわち職場は与えられるだけのものではなく,
変わる,いや変えることができる可能性もあるのでは
ないかと思う.

私はつねづね「自分にぴったりの理想の仕事がある」
というのは,幻想にすぎないと思っている.
仕事に就いて,自分も職場も変わりながら,
自分の理想に近づいていくというのが本当ではないのか.
それを今の学生は最初から理想の職場があると
考えて行動しているように見える.
答えが自分を最初から待っている,
そんな都合のいい話はないであろう.

仕事は,自分が理想に近づけていくものである.
就職活動とは,その努力をする覚悟ができる仕事を
見つけることなのだろう.

ついでにいうと,理想の恋人,というのも幻想である.
最近読んだ小説に「愛も習うもの」という言葉があった.
そのとおりだと思う.

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