ニュースを読んだ.
座敷わらしは出て行ってしまったのか.
伝説によれば,座敷わらしの去ったあとの家は,
だいたいさびれていってしまうことになっている.
その旅館の方々はそうでないことを祈ります.
さて,こうした座敷わらしの伝説というのは
全国あちらこちらにあるようで,
有名なのは,柳田国男が遠野物語で
紹介したものであるけれど,
私もこのブログで何度も言及している
怪談蒐集本「新耳袋」でも同様の話がいくつか
収録されている.
座敷わらしは,家にいるときはよいけれど,
いなくなったときのことを考えると,
むしろ最初からいない方がよいような気もする.
いや,やっぱりいた方がいいか...
最近読んだ「新耳袋」第9集で特に印象に残ったのは,
阪神大震災後に,六甲山麓の高速道路他で
出没情報が複数寄せられたという,
「赤い着物を着た直立した牛の群れ」の話である.
震災後に応援で送られた警備会社の警備員たちの
報告書の中に20件ほど含まれていたのだという.
六甲の山側で,高速道路などに霧がでて,
その霧の中に二本足で直立して,赤い着物を着た牛の群れ,
あるいは単体が目撃され,報告されている.
この「牛」というところがミソなのだ.
神戸近辺には,「くだん」と呼ばれる妖怪の話が伝わっている.
これが「件」すなわち,人と牛の妖怪とのことで,
その出現は,不吉なことがある前ぶれなどと言われている.
いかにも新耳袋の話に関係ありそうなのである.
ただ,新耳袋の作家二人はもちろんその道のプロだから,
そうした背景は重々承知で,この話を載せているのだろうけれど...
「神戸」と「くだん」.
この二つはずっと気になっている.
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