2009年11月25日水曜日

ラノベと侮るなかれ

先週末は風邪で布団の中で過ごしていたので,
本を数冊読んでいた.
そのひとつが,

「オルフェの方舟 ブギーポップ・イントレランス」
(上遠野浩平)

である.ブギーポップ・シリーズの14作目である.

ブギーポップというのは,
その人が一番美しいときに,
これ以上醜くならないように殺しに来るという
都市伝説の死神なのだけれど,
その実は,世界を破滅に導く「世界の敵」が現れた時に
それを倒す目的である女子高生の身体を借りて
存在する「なにか」である.
彼の周囲の少年や少女たちのお話なのである.
切ない物語が多い.

1998年に第1作目の「ブギーポップは笑わない」から
もう10年以上も続くシリーズになっている.
映画化もされたし,アニメ化もされている.
俗にいう,ラノベ(ライトノベル)で,私も当初
甘く見ていたのだけれど,意外や意外,
当時たいへん面白く,この第1作目を読み,
続いて,2,3作目と読み進めたものである.
今回もあっという間に読み終わってしまった.
ラノベと馬鹿にしてはいけない.

ラノベは何が普通の小説と違うのか?

ラノベの特徴は,まずキャラクター設定が
はっきりしていることがあげられるだろう.
だからアニメ化されやすいのだと思う.
(「涼宮ハルヒ」,「灼眼のシャナ」,「スレイヤーズ」,
「マリア様がみてる」など.残念ながら読んだことはないが)
対象は,少年少女なのだろう.
これが二つ目の特徴である.

私が中学生の頃は,ジュブナイル小説と呼ばれる分野が
あって,特にSFシリーズの「時をかける少女」,
「夕ばえ作戦」,「時間砲計画」,「七瀬ふたたび」,
「ねらわれた学園」あたりなどは,勉強もしないで
読んでいたような気がする.
(NHKの少年ドラマシリーズも印象的だけれど)

その辺の読者が,ラノベに移ったということなのだろうか.
時代とともに,ある部分では物語も深刻になったり,
ある部分では軽くなったりと,私が少年時代とはずいぶんと
変わってはいるけれど.

確かに「重さ」は足りないような気がするけれど,
ラノベ出身の実力作家も多いことだから,
決して侮ることはできない.
ということで,今後もいろいろと手を広げて
読んでいきたいと思う.

#ブギーポップも最新刊は未読であるし.




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