「新耳袋」全10冊,1000話の怪談を
読み終えたわけなのだけれど,
納得のいかないことが二つある.
ひとつは,「新耳袋」に収録されていると
思っていた話が1000話の中に見つからなかったのである.
私が記憶している話のおおよそは次の通りである.
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あるCMディレクターか関係者の話で,
ある女優を用いたCMを撮影したのだけれど,
そのフィルムは採用されなかった.
理由は,その女優の耳が
なぜか映っていなかったからだという.
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このように単純な話だけれど,
あまりに奇怪なエピソードなので,
記憶にずっと残っているのである.
この話は,雰囲気からして「新耳袋」に
収録されているものだとてっきり思っていたのだけれど,
違ったようである.
詳細を確認できるかと思い,巻を追うごとに
ワクワクしていたのだけれど,10巻(第10夜)まで読み終えて
結局見つからなく,がっかりしてしまった.
この何年間も続くモヤモヤした気持ちは
どこへ行けば良いのだろうか?
どなたか,この怪談の出典をご存知の方は
いらっしゃらないだろうか.
これからもずっとはっきりしない気持ちを
引きずっていかなければならないのか...
もうひとつ,納得がいかないのは,
「警備会社」のエピソードを2度読んだ気がすることである.
この「警備会社」の話は,9巻(第9夜)の最後に
シリーズとしてまとめられている中のひとつで,
この警備会社の渋谷事務所に女の幽霊がでることにより
引越しをやむなくされたというものである.
警備会社なので,幽霊に遭遇した警備員と本部との
電話の会話の記録が残っているところがミソで,
女の声がちょうど警備員の会話に合いの手を入れるように
録音されていて,それがリアリティを生んで
面白さを増している.
この話を読んでいるときに,あれ?これは2回目だと思った.
話のオチまではっきりと覚えているので,
どこかで読んだことは間違いないのだけれど,
どこで読んだのか,記憶がはっきりとしない.
第9巻を読むのはこれがはじめてのはずなのだが...
この話が2回収録されているのかとも思ったが,
そうでもないようだ.
以前に読んだことがあるのならば,前後のシリーズの
話も覚えていてもよさそうであるのだが,
この話しか覚えが無い.
う~ん,これはかなり納得がいかない.
これもずっとすっきりしないままなのだろうか...
この先,もう次の「新耳袋」を読めないということが,
最も残念である.
最初は,1998年,最終巻は2005年の発表である.
最初の頃のエピソードでは,ポケベルに
関わる話があったりしたのに,
最後の方は携帯電話に関わる話が多くなっていて,
時代の流れも感じさせる.
これから何を楽しみにすればよいのか.
誰かの書いた怪談小説などは,結局作り物という気がして,
怖さに奥深さが足りないような気がする.
不可解な怪異が不可解のまま残される,
この「新耳袋」の面白さは他には見られないものである.
はぁ,次のシリーズは出ていないものなのだろうか.
#「警備会社」の収録巻が間違っていました.
第9巻に修正(11/10)
2009年11月9日月曜日
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