2010年9月22日水曜日

アメリカ・ホテル空調事情

アトランタでは,昼間は気温が30度を
越えるので,ホテルの部屋では冷房を
使用する.

ECCEの会議の各部屋は,
異常に冷房が効いていて,
半袖でいるとブルブルと震えが
来るほどであった.

過剰な冷房の中,
電力の変換効率の向上の技術について
議論しているのだから,
ずいぶんとヘンだ,などという話が,
会議場のあちらこちらで聞こえたものである.

私の泊まったホテルは,会場でもあるHiltonで,
もちろん部屋には空調が装備されている.
しかし,アメリカも少しは変わったな,と
思わされたのが,空調のスイッチ部に
サーモスタットを用いたコントローラが付いていた
ことである.

別に複雑な制御をしているわけではない.
ある希望温度を設定し,それより十分に
部屋の温度が低くなった場合,
空調の電源を切り,その温度を越えた場合
空調の電源を入れるというものである.
すなわち,単純なオンオフ制御.

しかし,これだけでも昔はなかった.
少しはホテルも省エネをしはじめたということか.

ただし,空調はあくまでもオンオフ制御なので,
たぶん100%出力運転か,運転停止かの
二つの状態しかできない.
これは温度の細やかな制御を行うという点からは,
あまり良いものではなく,一般に温度制御に対して
効率は悪いといわれている.

日本では,ホテルもずいぶんインバータ制御方式の
空調に切り替えられていて,ずいぶんと省エネが
進んでいる.
インバータ制御方式だと,設定温度に対して,
室温が離れていれば,出力を大きくして
急速に冷房が効くようにし,反対に
室温が設定温度にちかづいてくれば,
出力を低くして室温を一定に保とうとする制御が
可能となる.

日本での家庭用エアコンはインバータ制御方式が,
ほとんど100%に近い割合で採用されているが,
アメリカでは,その多くがインバータ制御方式では
無いらしい.
強烈に冷房を効かしていても,おかしいと思わないのも
無理はない.
しかし,いつかきっと省エネのために
日本のようなインバータ制御方式のエアコンに
置き換わっていくに違いないのである.

さて,ホテルの部屋では,空調の音がうるさいので,
また夜はそれなりに涼しいので,私の部屋は,
空調のスイッチは切っておいた.

しかし,ホテルの各部屋で空調のオンオフ制御が
行われているとすると,空調がオンされた瞬間,
定常運転時の電流の3~6倍程度の突入電流が
ホテルのあちこちで流れていることになる.
日の出のときなど,ホテルの部屋の温度が一斉に
上がり始めるから,たぶんホテルのあちこちで
大電流が流れて,配電電圧はずいぶん下がったり
するのではないかな,などと,
時差ぼけで寝付きが悪いベッドの中で
考えていたりしたのである.

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