先週の名探偵コナンの放送を子供たちが
見ているのを横目でちらりと見ると,
コナンご一行はロンドンへ旅行している様子.
ちょうど,毛利小五郎が英国の紳士淑女の前で,
自分の探偵の活躍ぶりを説明しているシーンで,
英国紳士を柔道の一本背負いで投げていた.
そこで,ホスト役の淑女が,
"Oh, Baritsu!"
みたいな感嘆の声を上げていた.
(字幕で「バリツ」と書いてあった)
しかし,これを見てどれだけの人がわかるのだろうかと,
私は少し呆れた.
わかるのは,シャーロキアンだけであり,
普通の小中学生には,「バリツ」の意味さえ
わからないのではないだろうか.
「バリツ」というのは,シャーロック・ホームズが
たしなんでいた東洋柔術であり,
宿敵,モリアティー教授と戦ったときに
使ったということになっている.
(「最後の事件」で,ふたりとも滝に落ちたことになっていたが,
実はバリツのおかげでホームズは助かったのである.
因みに,横尾忠則氏の作品に滝の上からふたりが
落ちていくシーンを描いたものがある)
このバリツは,シャーロック・ホームズの作品にしか
出てこない武術らしいのだが(オマージュ作品には出てくるが),
その中身はあまりわかっていないらしい.
Wikipediaを見ると,「武術(bujutsu)」の誤記だとか,
「バートン流柔術」のbartituの誤記だとかの説が書いてある.
ここで私は,私がずいぶんと長い間信じてきた説を述べたい.
これは,プロレスラーのマサ斎藤氏が,
ブラジリアン柔術(ヒクソンやホイスのグレイシー柔術)の解説を
しているときに話していたのだと覚えているのだけれど,
「なんでもあり」というルールを表す「バーリトゥード」を,
「バリツ」と昔は呼んでいたというのである.
ただし,その際に,マサ斎藤氏はホームズの柔術については
言及していなかったように思う.
しかし,私はそれを聞いて,シャーロック・ホームズの柔術とは,
「バーリトゥード」の柔術なのだと思ったのである.
私はずっとこう思ってきた.
だって,シャーロック・ホームズが,
バーリトゥードが得意だったなんて,すごい話なんだもの.
しかし,あるとき「バーリトゥード」の原語である
ポルトガル語では, "Vale Tudo"と表記され,
「バーリ」は "B"ではなく,"V"から始まるのだと知ったのである.
英国でこの発音の間違いはないだろうと,私の
「バリツ」 = 「バーリトゥード」の説が消えた.
夢が消え,はなはだガッカリしたのである.
しかし,「バリツ」と聞いてわかる人は
一体どれだけいたのだろう?
シャーロキアンは最近増えているのだろうか?
私もまたシリーズを読みたくなってきた...
2011年6月1日水曜日
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