2017年3月27日月曜日

空海の教えは完全無欠?

ミャンマーからの留学生と話していて仏教の話題になった.
日本には仏教の分派が数多く存在する.日本の仏教とミャンマーの仏教とは大きく異なるが(ミャンマーはスリランカからの上座部仏教が伝来している),日本のお寺に行ったときに,お経の最初のパーリ語の部分は同じだと言っていた.

日本で仏教文化が花開いたのは,鎌倉仏教の頃だと思うけれど,その前の平安時代にその萌芽があったことは間違いないと思われる.そこですぐに思い浮かぶのは,空海の真言宗と最澄の天台宗である.

そして私が思うのは,空海の才能の大きさである.彼は超人だったのではないか.
最澄の天台宗は,法然の浄土宗をはじめ,親鸞の浄土真宗,曹洞宗,臨済宗,日蓮宗,時宗などを生み出し,日本仏教の源流となった.一方,真言宗からは独立したメジャーな宗派は生まれていない.その理由は,最澄の教えはある意味で不完全であり,そのために多くの弟子が独自の宗派を開くことになり,一方,空海の教えは完璧で弟子が疑問を呈する余地が少ないからなのではないか.空海が伝えた(開いた)密教の体系はそれほど完全な理論で構築されたものだからではないかと思うのである.彼は超人だったのではないだろうか.

最澄の教えが劣っているわけではないと思う.彼は探究を続け,そのおかげで多くの優れた弟子を輩出することになったのだから.でも,空海の教えが私の想像するような完全無欠なものであるのだとしたら,やはりその頭の中を覗いてみたいと思うのである.

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