2017年6月12日月曜日

太刀と刀

太刀(たち)と刀(かたな)は違うことを知らない人も多い.

太刀は刃を下にして腰帯に吊るして携帯するもので,これを「太刀を佩く」という.一方,刀は時代劇でよく見るように帯に差すもので,刃を上にして差すことになっている.大刀を本差,小刀を脇差と呼び,刀は差料などとも呼ばれる.

一般的に太刀の方が長く,反りが強かったりする.馬上で使うためということらしい.一方,刀は江戸時代以降に武家諸法度によって大刀の長さが2尺程度までと決められていた.でも江戸時代後期の剣豪である平山行蔵などは2尺をはるかに越える3尺8寸の長刀を差していたという話が残っているし,居合の林崎などは3尺を越える長刀を抜いていたと言われているので,実際には法を破っていた人も少なくなかったのではないかと思われる.ただ,刀は反りが強くないので,刃を上にして乗馬すると小尻が馬の尻にあたるので,刃が下になるよう返して腰に差したと言われている.

明治以降,西洋式の軍隊になってからは,また太刀のように刃が下,あるいは前を向くようになっているのは,やはりサーベルを真似たからなのだろう.また馬上での取扱を易くするためだからと思われる.

合氣道の稽古においても,木刀を太刀と呼んだり,剣と呼んだりするので,同じだと思っている人が少なくないのだけれど,一応違うことになっている.ただ私はどちらも本物を持ったことがないので,知識だけなのだけれど.

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