2023年12月10日日曜日

レナード・バーンスタインの音楽 (2)

 レナード・バーンスタインは指揮者として有名だけれど,ミュージカル「ウェスト・サイド・ストーリー」の珠玉の名曲を残した作曲家でもある。彼自身は指揮者としてではなく,作曲家として評価されたかったらしい(ここらへんは,彼と同じくユダヤ系として,ニューヨークで指揮者として活躍していたグスタフ・マーラーに似ているかもしれない)。

もちろん,楽曲「ウェスト・サイド・ストーリー」はミュージカル史上でも燦然と輝く傑作であることは間違いないけれど(このへんは,残されている映像に彼が嬉々として作品を解説しているものがあって面白いので,興味のある人はぜひご覧いただきたい。),その他にも交響曲を3つ残している。しかし,あまり演奏される機会がないため,知らない人が多いのではないか。最近,日本では演奏されているのだろうか。あまりそうしたプログラムを見た覚えがないような気がする。

彼の交響曲は第1番から第3番まで,「エレミア」,「不安の時代」,「カディッシュ」とそれぞれ副題が付いていて,私も一応,グラモフォンのレーベルで「エレミア」と「不安の時代」が入っているCDを持っていたと記憶しているけれど,どんな曲だったか思い出せないし,そのCDが今手元にないので確かめようがない。ただ複雑な曲であるという印象をもったことは覚えている。彼はやはり現代音楽の作曲家なのだ。

一方,私が好きな彼の作品のひとつが「チチェスター詩篇」である。以前にも書いたように,ニューヨークの教会で初めてこの曲を聞いたときのことは忘れない。人道主義者であった彼の理想が詰め込まれた作品だと思う。バーンスタインの作品で「ウェスト・サイド・ストーリー」の次に聴く曲には,この作品を強く推薦する。

交響曲を含め,彼の作品には,彼という人物がよく表れていると思う。彼の考え,主義,感情が感じられるような気がする。だから,こうした作品を聴いたあと,赤や青のシャツを着た彼がメガネを外して上目遣いで「どうだった?」と尋ねてくる,そんな空想をいつもしてしまうのだ。


#バーンスタインについては,あとはピアニストという一面があるのだけれど,そちらは私はあまり聞いたことがないので記事にはしない

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