2023年12月29日金曜日

鬼束ちひろ「流星群」

 研究室の学生と話していて,彼が以前放映されていたTVドラマ「TRICK」をネットで見たという話を聞いて,私も最近,鬼束ちひろの曲を聴いていたので,おっと少し思った。

私もなぜかこの一週間くらい鬼束ちひろの曲を聴いていた。といってもメジャーな曲ばかりなのだけれど,それらでも最近の若い人たちは知らないのだろうと思う。ただ相変わらず「TRICK」シリーズの番組と映画の人気は高いので,それらを見た人たちは番組の最後に流れる彼女の曲が心に残っているのではないだろうか。

私が大好きな彼女の曲は「流星群」という曲で,「TRICK2」の主題歌になっている。第1シリーズの主題歌の「月光」も良い曲でもちろん好きなのだけれど,ちょっと内容が重い。というか,神や罪を思わせる歌詞も出てきてテーマが広すぎる(ドラマの最終回のエンディングで出演して歌っていたのには驚いたけれど)。一方,「流星群」の世界はせつない恋愛の話のように思えて,身近なテーマに感じられ少しだけ気楽に聴ける。ただ相変わらず,心が少し痛む内容で,つらい。でもそこがよい。

鬼束ちひろは,もちろん本作を作詞作曲しているのだからソングライティングの才能も豊かであることは間違いないけれど,彼女の歌唱力がなければ本作も不朽の名作にはならなかったと思う。他に誰がこの曲をあんなふうに歌えるのだろう。

彼女の歌い方も独特だけれど,なんといっても声質が素晴らしい。私は歌手の才能というのは,半分以上はその人の声質で決まるものだと思っている。どんなに一生懸命練習して歌唱のテクニックを磨いても,その人が生来持っている声に魅力がなければ,名歌手にはならないし,作品も名作にはならないと思う。鬼束ちひろの声と歌い方はそれだけで歌の世界に引き込まれる魅力にあふれている。「流星群」はその才能を十二分に発揮している作品である。

彼女はいろいろトラブルに見舞われて,その後あまりヒット作を出していないようだけれど,「月光」,「流星群」の他にも,「眩暈」や「私とワルツを」などの曲も大好きである。また彼女にライトが当たって,活動がみんなに知られるようになるといいなと思う。

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