私の通っていた大学は「ダサい」ということで有名だった。確かに白衣を着て登校してくる人とか,いつもツナギを着ている人などがいたし,一般学生も,七三分けで銀縁の四角いメガネ。チェックのネルシャツにスラックス,そしてジョギングシューズを履くようなファッションの人たちが多くいた。当時はユニクロはまだない。
バッグもA4サイズの資料が縦に入るバッグを肩から下げていて(デイバッグなんてなかったし),いつも教科書類でパンパンになっていた(ノートパソコンもなかった時代)。
私が大学に合格して上京したばかりのころ,津田塾大学に通っている先輩2名と話していて,私が通う予定の大学の男子学生の評判を訊いたところ,「あー,Sophisticatedされているかな」「うーん,そうそう」と含み笑いをしながら教えてくれた。
私はその単語の意味が分からなかったので後日辞書で調べると(スマホもネットもない時代だったので),「洗練された」と書いてある。それで気分を良くしたのだけれど,実際に大学に行ってみるととてもファッションに気を使っているとは言えない人たちばかりだった(自分も含めて)。
そこでようやく「Sophisticated」が,男子学生を褒める言葉がなく皮肉めいた意味で使われたことを知った。東京の世界は複雑で難しい,と思い知った出来事だった。
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