ブルース・リーの言葉に,
"Knowing is not enough; we must apply.Willing is not enough; we must do."
というものがある。意訳をすると,
「知るだけでは十分ではない。それを適用しなければならない。
思うだけでは十分でない。それを実行しなければならない」
もともとはゲーテの著作にある言葉らしい。これを私的に,武道的意訳をすると,
「技を知るだけでは十分ではない。それを遣えなければならない。
技を遣おうと思うだけでは十分ではない。それを実際に遣わなければ身につかない」
さらに私的に哲学的な解釈をすると,
「知行合一」
ということになる。「知行合一」とは,私的には「知ることと行うことは同じでなければならず,真の理解とは実践が伴って初めて可能となる」ということになる。もともとは王陽明によって始められた学問である「陽明学」の重要な考え方の一つである。
しかし,これが日本に伝わって,江戸時代に広まったときには,武士道の理想と会い混じって,「思想即行動」という過激思想になってしまった。それは長岡の英雄 河井継之助や西郷隆盛など明治維新の急激な日本の変革者のモチベーションになってしまった。
こうした考え方は,国にとっては過激な変革となりあまり望ましくない気がするが,個人の変革のためにはたいへん魅力的な思想である。ただ真の理解は実践によって得られるものであるという言葉は,この年齢になっても耳に痛いものである。
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