2025年6月22日日曜日

神の臨在を感じる

 アポロ計画で月面着陸をした宇宙飛行士たちには,その経験がきっかけで人生が大きく変わったという人が少なくないと聞く。月面で宗教的な儀式をおこなったり,帰国してから宗教家になった人もいる。究極の極限状態において,人間の精神(脳)はさまざまな反応を起こしているということなのかもしれないが,宇宙空間において神の臨在を感じたという人もいる。神様の姿を見たわけではなく,その存在を感じるだけでも人は大きく変わる可能性があるらしい。

私が以前に文系のある大学教授からお伺いした話。その方はそれまで全く宗教的な関心などもたず,世界のあちらこちらを訪れ研究を行っていたという。それがあるとき,奥様とふたりでフィリピンのあるコテージに滞在された。その日の夜,窓から部屋に風が吹いてカーテンが揺れるのを見ていた時に,突然,神の臨在を感じたのだという。姿は見えないけれど,はっきりと感じたとおっしゃっていた。そして翌日もまた神の臨在を感じたのだという。その先生はその後すぐに,キリスト教に入信された。話を伺っているとき,たいへん自信をもってその神秘体験を話していただいたことをよく覚えている。

すこし感じが違うのだけれど,合氣道の開祖 植芝盛平先生も修行において,突然自分の身体が黄金に光り輝き,宇宙と一体となった感覚を得たといわれている。そこから技の質が変わったのだとか,言われている。

最近,どこかの記事で読んだけれど,複数の宗教家に薬物でトリップさせる経験をさせた実験でも,その後の宗教的生活が大きく変わった人が多かったという結果だったそうである。

つまりは,神秘体験は一種のトリップ体験であり,そうした意識の変性を経験してしまった脳は,それまでと異なる価値観で動作するということなのかと思う。また人間はそうした経験をひとつするだけで,価値観,性格,武道における技の質などが大きく変わりうる可能性が高いことを示している。

変性意識には誰でも遷移できる。しかし,それが神秘体験となるためには,なにかしらの条件が必要なのだろう(薬物によるトリップは安易な方法なのかもしれないが)。伝統宗教に伝わる数々の精神修行の方法は,この体験をするために工夫が重ねられた方法なのかもしれない。もしかして,それは伝統宗教における「魔道」に落ちることなのかもしれないけれど。

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