筋トレに本当に必要なのは「S・M・N」の三要素?昔の自分が鏡の前で学んだこと
最近,24時間営業しているトレーニングジムがあちらこちらにできたり,マッチョな芸人が増えているのを見たりしていると,現在は相当なトレーニングブームなのだなと実感する。それだけ健康志向が強まっているのだろう。まぁ,トレーニングは自己肯定感を上げるために行うものであって,ダメな生活への免罪符であると思っているから,それだけつらい毎日を過ごしている人が多くなってきたということなのかもしれない。また他のレジャーに比べ時間が縛られず,比較的安価に続けられることも理由のひとつなのだろう。
私も大学時代,一時期ウェイトトレーニングに熱中していて,バーベルやダンベルなどのフリーウエイト,そしてドラゴンフラッグなどの自重トレーニングを,毎日のように行っていた。そして鍛えられた身体を鏡に映して悦に入っていたものである。
その頃,トレーニングにはS・M・Nの三要素が必要だと思っていた。
まず,Sとはサディズムである。トレーニングとはどれだけ自分を苛め抜けるかという精神力が必要であると思っていた。肉体を苛めることに快感を感じるようになれば最高である。ウエイトを増やし,自分を苛める。この傾向がなければトレーニングは始まらない(現在のトレーニング理論では少しでもやりすぎるとコルチゾールが筋肉に悪影響を及ぼすことが知られているけれど)。
次に,Mとはマゾヒズムである。肉体を苛め,つらさや痛みを感じることが快感になるところまで自分を洗脳する。ゾクゾクして身体に与える負荷を増やすようになれば,トレーニングは自然と進む。
そして最後のNはナルシズムである。私はこれが一番大事な要素だと思っている。なぜならトレーニングで大切なのは全身がうつる姿見の鏡に毎日自分の身体を映してチェックすることだと思っているから。トレーニング後にパンプアップした全身の筋肉に惚れ惚れする。あるいは風呂上りに,大胸筋をピクピクと動かしたり,脂肪がそぎ落とされた腹斜筋にうっとりしたりするのだ。この自己陶酔が続く限り,トレーニング熱は続く。肥大していく筋肉こそ自分ができる人間であることを感じるようになったら,もう万全である。
ではなぜ現在,私はトレーニングを続けていないのだろうかと考えてみる。それは,S,M,Nのどの要素も昔に比べて自分の肯定感に影響を与えなくなってしまったからではないかと思われる。特に,N(ナルシズム)の要素が,年老いた今となっては大事ではなくなってきている。筋肉だけでなく服装などにもその傾向は表われている。今もっとも気になるのは健康だろうか。しかし,これではイカンと思う。ナルシズムは向上心のひとつであり,生活をスパイスアップする重要な要素であることは間違いないのだから。
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