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小論文試験について~(3) 魅力ある主張を書こう ~

小論文試験の話,続きます. 論文は構成が大切だということを話してきた. では,どのように構成を組み立てるか,ということになる. では,お題が例えば, 「豊かさとは何か」 ということであったとしよう.時間は60分. 分量は原稿用紙3枚.1200字とする. さて,まずは主題を決めよう. なにをこの小論文で主張したいのか. それを決めなくてはならない. たとえば, 「物質にあふれたこの時代, 心の豊かさこそが本当の豊かさである」とか, 「日本は豊かであるとは言われているけれど, 本当にそうだろうか.ブータンなどの国民の方が, よほど幸せそうに見える」 などという主張である. しかし,こんな話は全然面白くない. 私だったら採用は不可である. なんて誰でも考えそうなことを書くのだ,と思うからである. もしあなたが複数の学生とグループ面接をしているとする. その学生がみな同じような意見を答えたら, あなたはどう思うだろうか. なんと工夫のない学生たちなのだろうか,と思わないだろうか. 私も学生のレポートを読む機会があるが, みな似たり寄ったりの意見, 特にどこかのサイトのコピペで埋められた文章を読んでいると 吐き気がするほどである. 小論文は,相手を説得することが大切で, その内容はそれほど重要ではない,と書いたけれど, それなりに工夫は必要なのである. では,私だったらどのような主張にするか... 偉そうなことを書いてきたわりに, 大したことが書けないのだけれど, まぁ,書くとしたら 「豊かさとは可処分所得の大きさである」 くらいかな.ずばりストレート(笑). でも,こんなことを言う人は少ないと思っているのだけれど... (ちょっと,狙いすぎかも) あるいは,これがインフラ系の会社の試験だったら, 「豊かさとは,その重要性に気付かないことである」 と書くのもいいと思う. 電力やガスは普及していて,供給されるのが 当たり前と思っているけれど, そこまで「普通」になるということが, 「豊かさの尺度」になるのである...なんて感じで意見を進める. そんな程度かな. (ちょっと大風呂敷を広げたわりに, 先細って申し訳ありません...) とにかく人と同じこと,陳腐なこと,というのは 避けるべきである. なんといっても,試験官に興味を持って 読んでもらうようなものにすべきなのだから, 相...

小論文試験について~(2) 構成が大切 ~

小論文のお話のつづき. ここに書いていることは, あくまでも私個人の所見です. 責任はとれませんので,あしからず... さて,小論文試験を課する目的で 最も一般的なものは, 「論理的な思考能力,文章を書く能力を知る」 ということである,と前回書いた. どうせ 明確な答えなど無いテーマについて 書かされるのだから,小論文は, いかに読者を納得させるか,ということが ポイント になる. 私の考えでは,そこに巧いレトリックの技術などは 不要である(あった方が良いとは思うけれど). それよりは,文章の構成こそが決め手であると思う. そして,読者を納得させることが目的である文章の 最たるものが学術論文である. 仮説や提案する手法について, 反論ができないように水も漏らさず説明する. それができなければ,研究成果は論文誌に掲載されない. 学術論文はとにかく構成が大切である. そして(だからこそ),どの(理工学系の)論文も その構成はほとんど同じである. つまり, 「序論」,「本論」,「結論」 である. よく小説にありがちな「起承転結」は不要である. 「転」において,読者がどこに連れていかれるのか, 不安になるような展開はいらない. 定型の展開こそが,読者を安心させる. その意味で, 「結論先行主義」 というのは 非常に役に立つ. これは,自分の意見を述べる際に, まず「結論」を明らかにし,続いてその理由を述べる テクニックである. 論文全体の構成に当てはめると, 「序論」においてまず「結論」を述べてしまう. 続いて,なぜその結論に至ったかの根拠,理由を 順序良く並べていくのである. そして,最後にも「結論」を再び述べて, 自分の主張に念を押す. こうすることによって,読者は最後まで読まなければ 著者の主張がわからないというようなフラストレーションから 解放されることになるし, 文章を書く側にとっても,文章の構造を組み立てやすい. この「結論先行主義」というのは, 文章全体の構造だけに当てはまるのではない. 各パラグラフ(段落)においても, 同様のテクニックが有効である. 一般に, 各パラグラフの最初の文章と最後の文章は 重要 であって,そこにそのパラグラフで著者が 述べたいことを置く. そうすることによって,読者はより理解しやすく, より強く印象を受けることになる. このテクニ...

小論文試験について~(1) 試験の目的 ~

昨日,現在就職活動に忙しい学生と, 小論文の書き方に関する話をしていた. やっぱり小論文は苦手との話である. そうだよなぁ,だから理工系にいるんだものなぁ... と,悩むことなかれ. 私は優秀な理工系の学生ほど,小論文は書けるのではないか, と思っているのである. なぜならば,小論文は小説ではないのだ. 人を感動させる必要はない. では,小論文は何が目的なのだろう? 就職試験で小論文が課されるのだから, なにかを評価することが目的である. それは何なのだろう? 最近は,就職試験の参考書もたくさん出版されていて, 「小論文の書き方」なんて本も当然のようにある. 中身を見ると,各企業,いろいろなテーマを設定しているようである. 例えば, 「本当の豊かさとはなにか」 というテーマで1200文字の分量の小論文を 1時間程度で書くという課題があったとする. まず,わかることは,このテーマに明確な解答は無いということである. 当然,人それぞれ,「豊かさ」の定義が異なるから, どれが正しい,ということではない(どれも正しいかも). すなわち,小論文を読んで評価する人事の人は, 数学の試験のように解答に丸をつけているのではないはずである. では,人事の人たちは,君たちの「豊かさ」に対する 崇高なご意見を聞くために小論文を課すのだろうか? Aさんは,こういう意見で,Bさんは,こういう思考をもっていて... などとひとりひとり判断してるのだろうか? そして,それによって採点に差をつけているのだろうか? 私はそうではないと思う. なぜならば試験を受けた数日後には,合否の連絡があるという. その数日の間に,受験者のそれぞれの意見を そんな風にして評価する時間があるのだろうか? そもそも解答のないテーマに関する論文の内容そのものに 評価で差をつけることができるだろうか? 私が思う小論文試験の目的とは,思いつくままにあげてみると, 1.思想的な偏向がないことを知る 2. 論理的な思考能力,文章を書く能力を知る 3.特別ユニークな考え方をする受験者をピックアップする 4. 性格的に問題がある人を落とすための口実にする くらいなものだと思う. 1.は,その企業の利益に反するような思想を持っているかどうかを 判断する.たとえば,原子力関係の会社で,原子力反対派というのは 採用されにくいだろう. 2...

ソフトのユーザビリティの悪さに腹を立てる

Windows関係がユーザビリティが悪いことは 良く話題に上るのだけれど, 今日もあることができなくて,大変時間を費やしてしまった. 時間を費やすことよりも,イライラすることの方が耐えられないのだけれど. 今日はWindowsメールで,連絡先をまとめたグループ (メーリングリスト)を作成しようとしたのだけれど, まずツールバー等でその項目を探してみて, 全然見つからなかった. 仕方がないので,Windowsメールのヘルプを開いて検索する. 出てきた回答は,アドレス帳を開いて, ツールバーの「新しい連絡先グループ」をクリックしてください,とのこと. ...だから,その「新しい連絡先グループ」のボタンが 見つからないんだってば(怒). 私のやり方が悪いのかと思って,また何度もあちらこちらのメニューを開く. やっぱり全然見つからない. (こうやってユーザにその責任を感じさせるのは考えものだ) 仕方がないので,Googleで検索. ようやく回答を得る. アドレス帳のフォルダのテンプレートが「ドキュメント」になっていると 「新しい連絡先グループ」のボタンが表示されないらしい. そのフォルダのプロパティを変更するためには, 「アドレス帳」を開いて,「整理」を開いて,「プロパティ」を開いて, 「カスタマイズ」のタブを開いて,「フォルダの種類」のドラッグメニューの中の 「連絡先」にたどり着かなければならない. これじゃ,初心者なんてわかるわけがないよ!!! たぶんデフォルトでは,このアドレス帳のフォルダプロパティは, 「ドキュメント」になっているように思うのだけど... どうやってそこまでたどり着け,というのだろう. ヘルプを見たって,「新しい連絡先グループ」のボタンをクリックしろ, としか書いていないのだから... ひどいユーザビリティである. 昔は,マイクロソフトにはユーザビリティ向上のための研究所があって, その研究所では多くのモニタに操作をしてもらい, 問題点を抽出,フィードバックして改善に努めている,という話が あったけれど,最近は行われていないのではないだろうか. あまりにひどすぎる. ひどいといえば,Windows VistaのIMEも 本当に最低レベルの変換能力である. 聞くところによれば,開発は中国で行われているとの噂. 節も適当に区切られて,まともな変換ができな...

ガランとした研究室で

研究室がガランとしている. 卒業生が,ひとり,またひとりと 荷物をまとめて部屋を出ていく. 私は,その後ろ姿を見ているだけしかない. 毎年のことだけれど,やっぱりさびしく思う. ついこの前まで,一緒に回路を前にして, あーでもない,こーでもないとウンウン唸っていたのだ. それを2年あるいは3年間,一緒にワイワイやっていたのだ. なんだかんだいっても,そうした苦労が今となっては楽しく思える. (学生は,本当のところどう思っているかわからないけれど) もう彼らとそんな経験をすることはないのだろう. 彼らに望むのは,本質的に研究は楽しいものだ, ということを忘れないでいて欲しいということだ. それさえ理解していれば, その原点に戻ることができさえすれば, なんとか工学者,研究者としてやっていけるのではないかと思う. このことは以前にも書いたのだけれど, 今,とても大事なことのような気がする. 4月になれば私はまた,新しい学生たちを研究室に迎えることになる. そして,その彼らと一緒に,やっぱり苦労することになるのだろう. ただ新しい彼らは,私に研究の楽しさを また違った面から感じさせてくれたりする. そうして救われなければ,この卒業の時期を 教員たちは乗り越えることができないのかもしれない.

札幌の人は(その2)

昨日は,同窓会組織の卒業記念祝賀会, 今日は,卒業式本番である. (どうもいろいろな事情によって祝賀会と 卒業式の順番が前後したらしい. 昨日は時間がなくてブログの更新も無し) 卒業式といっても,私にはほとんど関係なく, いろいろと仕事をやっております. 先週,札幌にいっていたので, 今週にやらなければならないことが山積です. あぁ,北海道は良かった,と懐かしくさえ 覚えてきます. そこで,札幌出張で思いつくままに... 北海道大学は広い ...私がいる大阪大学吹田キャンパスも相当に広いけれど,北海道大学もずいぶん広い.学会は大学キャンパスの最も北の方にある建物で開催されたのだけれど,私のホテルは駅前だった.そこから歩いていくと優に20分はかかる.それがシャーベット状の雪道で足元はひどく悪いから,時間は更にかかることになる.まぁ,私はこれでも雪国育ちだから,それなりに雪道の歩き方は慣れていて,滑って転ぶなんてことは無いのだけれど(というか,靴の裏が溝があるゴム底か,つるつるの革靴かでずいぶん違うのだ). クラーク博士の前で記念撮影 ...北海道大学の学内を歩いていると,銅像の前で記念写真を撮る人を見かけた.有名なクラーク博士の胸像である."少年を大志を抱け"の全身像は,羊が丘展望台にあるのだけれど(私は見たことがないけれど),胸像は学内にあるのである.一応,私も写真を撮ってみた.しかし,彼はいったい何をした人なのだろう? 札幌の街は私でも迷わない ...私が方向音痴であることは,ここでも何度も書いてきたけれど(最近では,学生たちにもバカにされているが),そんな私でも札幌の街は迷わない.やっぱり碁盤の目のように道路が東西南北に走っており,それに一条,二条とか順に名前がついているので,自分がどこにいるのか把握しやすいのである.実はそれでもどちらが東でどちらが北か,私は迷ったのだけれど,最近はコンパスを持ち歩いているので,方角だけはわかるので安心なのである(それがないとわからないのか,と言われそうだけれど) ジンギスカンを食べる ...ジンギスカンの食べ放題に挑戦.ジンギスカンも食べるだけ食べたが,ビールも飲むだけ飲んだ.中ジョッキに7杯くらいかな(ジョッキは小さめ).初日の委員会の後に,委員の方々とビール園に行ったのだけれど,いつの間にかあちらこちら...

札幌の人は

月曜日から今日まで,電気学会 全国大会に 参加するために札幌に行っていた. 先ほど大阪に到着したところである. 今回の学会参加はとにかく忙しかった. まず月曜日に札幌に昼前に到着して, 午後から電気学会のある委員会に参加する. それから,いろいろあって夜遅くにホテルに到着. ベッドに倒れこむ. 火曜日. 朝から,いろいろあって,いろいろあって, そしていろいろあって,夜遅くにホテルに到着. ベッドに倒れこむ. 水曜日. いろいろあって,ベッドに倒れこむ. そして今日. いろいろあって,大阪に戻ってきた. WBCの韓国戦の詳細, キューバ戦の結果さえ知らずに, この4日間を過ごした. なんとか無事に関西に戻ってきてホッとしている. 北海道大学を訪れたのは10年ぶりくらいかな. 前回は,プラズマ・核融合学会に参加したときだったと思う. (あのときは,何十年かぶりの大雪が降って大変だった) 今回,久しぶりに札幌の街を歩いた. そこで,気づいたことを思いつくままに. 札幌の人は薄着である ...確かにこの4日間は暖かかった.北海道も10度くらいまで気温が上昇してまるで春のよう,とのニュースがあった.しかし,10度は10度である.大阪だったらまだまだ冬の気温である.しかし,札幌の街ゆく人は,本当に薄着である.道端にはまだ汚れた雪が山となって残っているのにである.コートもショート丈か春物.女性のスカート姿も多い.どうも薄着をしているということが,お洒落と思われる条件のようだ.笑っちゃったのが,高校生の学生服姿.もちろんコートは着ていない.その学ランの前ボタンを3つくらい開けて胸元を見せるのが流行らしい.その胸元というのが,なんと素肌を出すのである.シャツも見せない.胸の部分を直接見せている.いくらなんでも,やりすぎじゃない,と思ったけれど,それが若さなんだろう.でも,笑っちゃったよ,おじさんは. 札幌の人はアイスクリームが好きである ...確か日本で一人当たりのアイスクリームの消費量が一番多いのは北海道だったような気がする.それを裏付けるように,街のあちらこちらにアイスクリームショップがあり,どの店も結構な客の数があった.やはり札幌の人はアイスクリーム好きなのだ.この寒空の下,アイスクリームを食べながら歩いている女子高生を複数見かけた.足元は雪が溶けてコーヒーシャーベット,そこ...