2009年3月25日水曜日

ガランとした研究室で

研究室がガランとしている.
卒業生が,ひとり,またひとりと
荷物をまとめて部屋を出ていく.
私は,その後ろ姿を見ているだけしかない.
毎年のことだけれど,やっぱりさびしく思う.

ついこの前まで,一緒に回路を前にして,
あーでもない,こーでもないとウンウン唸っていたのだ.
それを2年あるいは3年間,一緒にワイワイやっていたのだ.
なんだかんだいっても,そうした苦労が今となっては楽しく思える.
(学生は,本当のところどう思っているかわからないけれど)
もう彼らとそんな経験をすることはないのだろう.

彼らに望むのは,本質的に研究は楽しいものだ,
ということを忘れないでいて欲しいということだ.
それさえ理解していれば,
その原点に戻ることができさえすれば,
なんとか工学者,研究者としてやっていけるのではないかと思う.
このことは以前にも書いたのだけれど,
今,とても大事なことのような気がする.

4月になれば私はまた,新しい学生たちを研究室に迎えることになる.
そして,その彼らと一緒に,やっぱり苦労することになるのだろう.
ただ新しい彼らは,私に研究の楽しさを
また違った面から感じさせてくれたりする.
そうして救われなければ,この卒業の時期を
教員たちは乗り越えることができないのかもしれない.


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