2017年5月27日土曜日

「くるり」はどこへ行く?

長年続いているバンドというのもたくさんあって,私が好きなバンドもいくつかあるのだけれど,だいたいが時が経つにつれ音楽は新しくなってきているけれどコンセプトは変わらないというバンドが多い.

たとえば,TRICERATOPS.彼らの音楽は時代につれて新しくなっているけれど,以前から「踊れるロック」というコンセプトは変わっていない.そこが大好きなのである.

また,アジアンカンフージェネレーションだってそうだ.以前に出したアルバムを10年以上を経て,そのまま再レコーディングして発売している.もちろん音楽はいまにあったものに変わっているだろうが,彼らのコンセプトは変わっていないことを示しているように思える.

そんなバンドが多い中,私の好きなバンドの一つ,「くるり」が最近向かっている方向がよくわからない.これからどこへ行こうとしているのか,気になっている.

「くるり」といえば,「東京」,「ワンダーフォーゲル」,「ばらの花」などの比較的初期のイノセントな曲が好きだったりするのだけれど,リリースされた曲を聴いて驚いたのが「Liberty & Gravity」である.聴いてもらえばこの曲の不思議さがわかってもらえると思うのだけれど,なんというか,無国籍感そして少し笑いを含ませたような曲になっていて,それでいてセンスの良さが損なわれていない,ギリギリのところで曲が成立しているのである.初めて聴いたときは思わずニヤついてしまった.

そして昨年リリースの「琥珀色の街、上海蟹の朝」.これがまた素晴らしい.ふざけたような歌詞を中毒性のあるわかりやすいメロディーに乗せて歌っている.わらっちゃうような,せつなくなるような,そしてクールな絶妙の音楽である.

初期のようなピュアさが薄まって,独自の世界に入っていこうとしていることは確からしい.アジア風になっていくことで逆に無国籍を感じさせる不思議な音楽である.こんな音楽を目指している「くるり」.ますます好きになってしまう.

2017年5月25日木曜日

「ちいさい」ではなく,「ちっさい」

学会などの発表の場において,この人は関西の人だなぁと思うことに,「小さい」という形容詞の発音がある.

関東では「ちいさい」と発音するが,どうも関西では「ちっさい」と小さな「っ」が少しだけ強調されて発音されることが多い.

「小さくなる」も「ちいさくなる」ではなく,「ちっさくなる」である(私の心情的には,「っ」ではなく,「ちッさくなる」と「ッ」を使った方が近い感じがする).

発音が気になり始めると,ますます気にしてしまう.学会の発表において関西弁で話す人は見たことがないけれど,こんな細かいところに関西の人の片鱗が垣間見えるのだ.

私も関西に来て十数年経つけれど,「ちっさい」とは発音はまだできないようだ

2017年5月24日水曜日

Vodka Martini, Shaken, Not Stirred.

James Bondを演じていたロジャー・ムーア氏が亡くなったそうである.正直,彼の007はそれほどカッコいいと思ったことはないけれど,広川太一郎氏の吹き替えでユーモアあふれる,それでいて上品なボンドであったことは間違いない.キャノンボールなんて映画への出演も洒落ていた.多くの人に愛されたボンドだったろう.

彼の演じたボンドも言っていたかどうか,覚えが定かでないけれど,ボンドが飲むカクテルといえば
"Vodka Martini, Shaken, Not Stirred."
であって,いつか私も言ってみたいと思うセリフである.まあ,実際のカクテルバーに行った際にはとても恥ずかしくて言えないけれど.

カクテルの専門家が話していたけれど,やっぱりかき混ぜたほうがオーソドックスとのことである.ただ下手なバーテンダーがかき混ぜると不味いので,それでNot Stirredと言っているのではないかなどという話.

ダニエル・クレイグの「カジノ・ロワイヤル」では,Vesperという愛した女性の名前をつけたカクテルということになっている.私は彼のボンドが一番好きなのだけれど,ポーカーのシーンで彼がカクテルを頼むところがかっこよくてたまらない.同じカクテルは頼まないけれど,私もバーでかっこよく振る舞いたいものである.居酒屋ばかりでこの20年近くはカクテルバーには行ったことがないような気がするけど...

2017年5月23日火曜日

夏夏冬冬

今日は,電気学会の調査専門委員会に参加のため梅田に出た.
梅田から堂島の中央電気倶楽部まで20分ほど歩くことになる.今日は暑くて汗が出た.まだ5月というのにもう夏のような気がする.いったい春はどこへ行った?

年々,春だなと思う時期がどんどん短くなっているような気がする.秋もそうだ.夏が終わったらすぐに木枯らしが吹いているような気がする.日本からは春と秋がなくなりつつあるのではないだろうか.

以前,中国の成都から来た留学生が,私の故郷は夏と冬しかないと言っていたのを思い出す.それを聞いたときは,それはお気の毒に,と思ったものだけれど,いつの間にか日本も同じような状況になってしまった.春夏秋冬の四季ではなく,夏夏冬冬の二季だ.

世の女性にとって春服を着る季節があまりにも短くなってしまい,かわいそうな気がする.男はTシャツさえ着ていればいいのだけれど.

そして私は,ストーブを片付けるタイミングを逃してしまった.そんなことを言っている間に次は梅雨がやってくるのだろう.衣替えもまだ十分ではないというのに...

2017年5月22日月曜日

最近の音楽の流行りはこんな感じ?

最近,なんとなく気になる音楽の流行がある.グループ名でいうと,

Suchmos
Nulbarich
cero

あたり.
なんとなく薄暗くて,それでいてグルーブ感がある.とにかくカッコいい.
マイルスのKind of Blueあたりのモード・ジャズを私は思い出す.どこか醒めた都会的なカッコよさがある.

どのバンドもすごく若そうなのがまたいい.どこかのオジサンたちが懐古趣味でやっているわけではなく,若い人が彼らの感覚でカッコいいと思うことをやっているところがいい.私のようなオジサンも,もう四の五の言わずに,彼らが奏でる音楽のグルーブ感を愉しめばいいように思う.

彼らっぽい音楽が最近増えているような気がする.このさき,昔の90年代の渋谷系みたいな大きな流行りになっていくといいな,と思う.

#BEAMSが作った”TOKYO CULTURE STORY|今夜はブギー・バック(smooth rap) in 40 YEARS OF TOKYO FASHION & MUSIC|presented by BEAMS”という秀逸な動画があって,その画と音楽のクオリティが素晴らしいのだけれど,Suchmosを最後のあたりにもってくるところがニクい

2017年5月20日土曜日

ハンドスピナーはフライホイール

ハンドスピナーことFidget Spinnerが日本でもじわじわと話題になってきた.なんのことはない,たいへん低損失のボールベアリングで回るフライホイールなのだ.

フライホイールとは日本語で「はずみ車」で,重さをもった円盤(あるいは円環)を高速で回すことによって力学的なエネルギーを貯蔵するものである.例えば,自転車の後輪を浮かせてペダルをぐるぐる回す.ある程度回転速度が高くなるとペダルから手を離しても車輪はしばらく回り続ける.あれである.車輪にたまったエネルギーはベアリングなどで消費され,速度はゆっくりとなりやがて止まる.これは貯蔵エネルギーがゼロになったことを示す.

あるいは木くずに木の棒を押し当ててぐるぐる回す火おこしをご存知だろう.棒の先に円盤がついている器具をみたことはないだろうか.その重みで回転させるのが楽に感じるようになる仕掛けである.太古の時代より,人類はフライホイールにお世話になってきたのである.

核融合のための臨界プラズマ試験装置JT-60では,巨大なパルス電力を使用するため予めフライホイールを回してエネルギーを貯蔵しておき,必要なときに一気に放出する電源システムになっている.フライホイールも巨大で,確か直径6.6m,厚さ0.4m,重さ107トンの鉄のディスクを6枚縦に積んで,それを発電機の回転子に直結して使用している.発電機とあわせて貯蔵エネルギーは8GJ.そのうち4GJを1回のパルスで放出できるシステムだ.もうこんな大きなフライホイールは作れないかもしれない.ちなみに直径の大きさは製鉄所の炉のだったか,鍛造機だったかの入口の大きさで決まったとのことである.

フライホイールの良さは,単純かつ高繰り返しに強いことである.一方,欠点は待機電力が大きいこと.使わないでただ回っているだけでもそれなりの電力が必要となる.JT-60のフライホイールの回転速度は600rpm,周速は音速の2/3にも達するということだから相当の風損がある.約1000トンを支える軸受も大きな損失を生じる.しかし,これほど堅牢で長寿命のエネルギー蓄積装置はそうそう見つからないのである.バッテリーもキャパシタも敵わない.

宇宙戦艦ヤマトは波動エンジンを始動するときに,まず補助エンジンにてフライホイールを回転させ,それを接続することで波動エンジンを起動させていたような描写がある.「フライホイール接続,点火!」というあの島大介の掛け声(?)である.あのころはフライホイールは身近だったのだ.先日,豊中キャンパスで1年生を中心としたクラスの講義でフライホイールについて尋ねたら知っている学生はほとんどいなかったのだが...

とにかくハンドスピナーを見て思うのはフライホイールである.世の中の子供たちがフライホイールにもう少し親近感を持ってくれるとうれしい.

2017年5月18日木曜日

キカイダー01は太陽電池で動いていた

今朝,キカイダー01の主題歌をたまたま耳にした.歌詞を聞いて驚いた.キカイダーはご存知の通り,身体が赤と青に塗り分けられた人造人間なのだけれど,頭部は透明のカバーがかかっていて,内部の機械が透けて見えるようになっていた.私はそれが単なるデザインだと思っていたのだけれど,なんとキカイダー01はこの頭部に取り付けられた太陽電池によって動いているという設定だったらしい.歌詞にも「光り輝く太陽電池」とあった.

まず太陽電池が輝くというのはあまりよくない.それだけ光を反射してしまい,受光するエネルギーが減ってしまう.つや消し黒が良いのではないだろうか.

そして何より太陽電池が小さすぎるのが問題だ.例え頭部全体が太陽光を受光するにしても多分その面積は頭囲60cmとして円周60cmの円の面積はだいたい300cm^2 = 0.03 m^2となる.これが必要な電力に対してかなり小さいのだ.

日光のエネルギーはどのくらいなのかご存知だろうか.実は晴れた日の正午でだいたい地上1m^2あたり1000W~1200W程度と言われている.現在の太陽電池の変換効率が17%だとしても170W程度しか電力に変換できないことになる.1000Wのドライヤーひとつ駆動できないのである.

さて,キカイダー01.太陽電池の効率が将来の量子ドット太陽電池などが実現されたとして60%くらいまであがったとしよう.それでも,頭部の太陽電池で発電できるのは,0.03 m^2 * 1200 W/m^2 * 60%/100 = 21.6 Wということになる.たかが20Wなんて,蛍光灯ぐらいしか使い物にならない電力である(現実的な変換効率15%では約4分の1の5Wしか発電できないことになる.iPhoneの充電くらいにしか使えない).

馬力に直すと,1馬力 = 735 W程度だから,21.6/735 = 0.03馬力でしかない.そんなパワーで敵を倒せるのだろうか?

いや,そもそも人間の1日の必要カロリーが2000 kcal =8.4 MJとして,24時間*60分*60秒 = 86400秒で割ると,平均97 W程度.すなわち人は平均100W で動いていることになり,キカイダーは人間より少ないカロリーで動いていることになる.これじゃ,人よりも大きな力を出せるはずがない.もしも24時間充電できたとして,8.4MJを1秒間にパルス的に放出できれば8.4MW=11428馬力だせるけれど,1秒で敵を倒さなければならないのみならず,86399秒は静止して充電していなければならないのである.これじゃ地球は救えない.

しかし,子供の頃からこんな話を見聞きしてきたのだから,普通の人が太陽電池に過度な期待をしてしまうのも仕方ないのかなと思う.たぶんキカイダー01も,どこかのプラグインハイブリッド自動車と同じで太陽光発電は単なるお飾りで,実はコンセントを差し込んで充電していたに違いない.

ちなみに鉄腕アトムは10万馬力.動力源は原子炉である.

2017年5月17日水曜日

元気,根気,勇気

アントニオ猪木は,

元気
根気
勇気

が大切だと言った.
なにごとをするにも元気が大切だと最近つくづく思う.私はずっと元気がなかったようだ.昨年の後半からようやく元気が出てきた.こうしてまたブログも書き続けることができるようになった.

根気も育ってきた.おかげで勇気も湧いてきた.
まったく,アントニオ猪木の言うとおりだ.
単純だけれど,大事な話だ.

2017年5月16日火曜日

Gun fu

この前に挙げた興味のある映画はみなヒーローが魅力的で超人的な強さを発揮するのだけれど,それぞれが使う格闘技は別である.Jack ReacherはKFM,Jason Bourneはカリといった具合である.しかし,John Wickは謎である.いろいろな格闘技がミックスされているようだけれど,どうもはっきりしない.しかし,彼のアクションが他に比べ最も映画にぴったりで流麗のように思える.

彼のアクションは最近よく見かける (?), いわゆるGun fuである.すなわちガンアクションとカンフー(実際は他の格闘技)との組み合わせでもっとも派手に,流麗に行われるアクションなのである.

最初に話題にのぼったのは,たぶんマトリックスあたりだと思うけれど,ひとつの究極の形を示したのは「Equibulium」のGun kataである.主演のクリスチャン・ベイルが,ある意味笑ってしまうようなすごいアクションを披露している.これは少しやりすぎだと,私も観たときに思ったけれど.

それに比べると,John Wickはもっと現実的なアクションになっているように見える.銃や格闘技だけではない,カーアクションにおいても芸術的な画をみることができる(そもそも使われている自動車自体が芸術品なのだけれど).すべてが複合的に組み合わされて,息もつかせぬアクションを実現している.アクションの流麗さでいえば,John Wickが最も優れていると私は思っている.

ということで,Chapter2が早くみたい.無敵の引退した殺し屋という設定がなによりもキアヌ・リーブスに似合っている.あんなカッコいい男,そうそういない.

2017年5月15日月曜日

雑誌「秘伝」に見る格闘技のはやりすたり

ついこの前,映画「アウトロー」を観て,そこで使用されていた格闘技「キーシ・ファイティング・メソッド,KFM」が気になったと紹介したのだけれど,本屋で少し手にとってみた今月の「秘伝」(というDeepな雑誌があるのだけれど)に,なんとKFMがデカデカと紹介されていて驚いてしまった.シンクロニシティというよりも,KFMがそこまでMajorになっていたということに気づかなかった私が遅れているのだろう.

しかし数年前の「秘伝」では,たしかシラットかカリなどが紹介されていて,これからジークンドーやクラヴマガに次いで東南アジア系の格闘技が流行るのではないか,という記事だったように思うのだけれど,格闘技の世界にも流行り廃りがあるらしい.今月号は,KFMの他に,クラヴマガと詠春拳の現代バージョンが紹介されている.

流行り廃りがあるとはいえ,「秘伝」においては,システマがずっと注目されていて,その他は古流の空手や意拳などが紹介されている.昔の紙面は,全国各地に伝承されている古流武術の紹介が多かったように思うのだけれど,現在は読者が実体験をできる格闘技,あるいは心身の操作法に関する記事が多くなっているようだ.ずいぶん雑誌のスタイルも変わってきたことに気づく.

しかし,このように伝統武術,古流,そして新しい格闘術と紹介しているけれど,こうしたベクトルに興味のある人々は,スポーツとしての空手,剣道,柔道をずっと練習してきている人口に比べてどれだけいるのだろうかと疑問に思う.たぶん「秘伝」という雑誌が潰れなくて済む程度の需要を生む人口はあるのだろう.そうした人々が単なる武術オタクでないことを期待したいと思うのだけど.