2009年4月6日月曜日

山桜をさがす

昨日は近所の公園も花見でにぎわっていた.
夕方に散歩にでたのだけれど,
西日に影濃く映える桜の姿は,
人にまたじっと何かを思わせる.
少し肌寒かったけれど,ゆっくりと散歩を楽しんだ.

桜といえば今ではソメイヨシノが一般的だけれど,
日本で昔から愛されてきたのは山桜であるらしい.

山桜といえば,本居宣長の

敷島の大和心を人とはば朝日ににほふ山桜花

の歌が有名で(といっても私は小林秀雄の講演の
録音を聴いて初めて知ったのだけれど),
その美しさは昔から日本人に愛されてきた.
小林秀雄は講演の中で,
山桜を実際に知らなければこの歌の意味は本当に
わからないと力説している.
この花の美しさ,匂いの良さがわかってこそ,
本居宣長のいはんとしたところが理解できるのだと.

私もそのつもりで,山桜を近所の公園に探してみた.
しかし,どれが山桜なのか全然わからない.
夕方で少し暗かったので,離れた所の桜が
ソメイヨシノかそうでないのかもわからなかった.
散歩をしながら,ふと宣長の歌を思い出し,
それで見分けようとしたのだけれど,
山桜をさがすのは,まだ明るい昼間に行うことにしよう.
またそれが口実となって,桜の木立の間を
散歩することができるし.

本居宣長は本当に山桜を愛していたらしく,
彼の遺言にも,墓には質素に山桜を植えるようにと,
図まで描いて指示していたらしい.
しかし,彼の墓は長らく,彼の功績を称える
後世の人たちによって建てられた
桜に囲まれた立派なものであったとのことである.
それを講演の中でも小林秀雄は嘆いていたが,
平成13年,彼の没後200年の年に,
遺言の通りの墓に復元されたらしい.
本居宣長も小林秀雄も草葉の陰で
ほっとしていることだろう.

今夕は研究室の花見である.

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