2008年11月6日木曜日

吹田祭,落語会

吹田祭では,毎年,落語会が開かれる.
学生落語ではない,プロの落語家の方々の会である.
桂一門の噺家の皆さんがやってきてくださるのだ.
そして,これが無料なのである.
本当にありがたい.
よく学園祭に,歌手やタレントを呼ぶけれど,
この落語会の方がずっと私にはうれしい.

私はこれが毎年楽しみで仕方がならない.
確か一昨年は,桂文珍さんがやってきた.
会場が一体となって,落語なのに
コンサートのようなグルーブ感があった.
話芸とは,ここまですごいのかと,
生で聴く落語に感動した覚えがある.

昨年は,仕事のために聴くことができなかったのだが,
今年は,しっかりと聴くことができた.
演目は,

桂春菜:「母恋いくらげ」
旭堂南海(講談):「山内一豊の妻」
桂小枝:「くっしゃみ講釈」

というラインアップ.

桂春菜さんは,一昨年は「七度狐」を聞いた
覚えがあるのだけれど,
今年の方がすこし良かったかなぁ.
古典落語を現代風にどうアレンジして話を進めるか,
ここらへんがポイントになるのだろう.
今回は,すれた小学生のバス旅行をからめての進行だった.
くらげや,いかや,たこのマネもなかなか素敵でした.
来年もまた楽しみにしております.

さて,旭堂南海さんは落語家ではなく講釈師.
お題は「山内一豊の妻」ということで,
あの有名な,妻・千代のお金で馬を買い,
信長の前で誉れをあげて,
その褒美にかんざしをもらうというお話をひとつ.
これが本当に良かった.
話が徐々に盛り上がっていくと,
会場もぐんぐんと引き込まれていくのがわかる.
大阪弁を話す馬などの登場でところどころに
笑いをちりばめ,聴いた後に爽快感が残った.
これぞ講談の醍醐味.というところだろう.
またいつかどこかで,ぜひ講談を生で聴いてみたいと思う.
(NHKラジオでも講談はときどき聴くことができるのだけれど,
あの盛り上がりはやはりライブじゃないとだめかな)

職業はレポータではなく落語家なんです,という
笑いから始めた桂小枝さんは,
枕がまず兄弟子やTVの共演者の裏話から.
大変面白かったのだけれど,ちょっと笑うネタとしては
卑怯かなとも思ったりもして.
でも,本当に面白かった.
それで若い人のつかみもバッチリだった.
古典落語のネタは,デートの最中講釈師に恥をかかされた男が,
復讐のために講談の最中に唐辛子を火鉢で焼いて,
講釈師にくしゃみをさせて恥をかかせてやろう,というお話.
主人公の男は,これが物忘れがひどい,ちょっと足りない男.
小枝さんは,こうした役が本当にうまいと感じた.
落語では,こうした少し足りない男が活躍する話が多いけれど,
そうした話においてこそ,
小枝さんの本領が発揮されるのではないだろうか.
ちょっと言葉の繰り返しが多いな,とも思ったのだけれど,
それがひとつのリズムを作り出していて,
それはそれでよかったのかもしれない.

とにかく,3つの演目どれも良かった.
これが大学で聞けるなんて...
幸せ感満腹である.
笑うことによってずいぶんと楽になることってある.
聞くところによると繁昌亭もずいぶんと人が入っているそうである.
この幸福感に一度味をしめたら,
やっぱりリピータになる人も多いのだろうなぁ.
私も,すっかり落語好きとなってしまったし.

#全然話はかわるけれど,
マイケル・クライトンが亡くなったそうである.
彼は,SF作家といっていいのだろうか.
ジュラシックパークなんて,子どもたちに大きな夢を与えてくれたなぁ.

0 件のコメント:

コメントを投稿

桜を見ると思い出す

桜が満開である。 研究室でも花見BBQが行われ、まさに「花より団子」 、学生はだれも桜など見ずにひたすら食べることに集中していたけれど、食べづかれた私は桜をぼんやりと見ていた。 学生の一人が 「桜の樹の下には屍体が埋まっている!」と梶井基次郎の文章 について話していたので、そうい...