2008年11月14日金曜日

調査専門委員会に出席

今日は,水曜日とはまた別の電気学会の
調査専門委員会に参加.
ソフトスイッチングや新しいパワーデバイスの適用による
回路の効率向上を図るパワーエレクトロニクス技術の
調査を行う委員会である.

今日が1回目.
2つの招待講演があった.
ひとつは,パワーエレクトロニクスが地球環境問題に
果たすべき役割に関するお話.
もうひとつは,SiC-MOSFETの開発状況の報告であった.

新しいデバイスであるSiC-MOSFETの市場投入が
待ち遠しい.
素子の定格的には,1400V,50A程度まできているとのことで,
すでに実用化段階にあると思われた.
しかし,やはりコストが高い.
これはウェハの生産コストが影響しているようだ.

実は,SiCウェハの世界シェアの9割は,
アメリカのクリー社によって占められている.
はっきりいってしまえば,彼らの言い値で価格が決定される.
価格を聞いて,私たちもずいぶんびっくりしてしまった.

では日本はどうなのか?という質問が出た.
まず,この数年ではSiCのデバイスについては
日本のメーカが世界のトップを走っているとのこと.
なかなか嬉しい話である.
ウェハについても,来年くらいには
日本のメーカも出荷を開始するとのこと.
ぜひ独占市場に風穴を開けていただきたいものである.

しかし,SiCは欠陥の少ない結晶の育成方法に難があり,
いまだに大量生産には課題がある.
この大量生産性から考えるとGaNの方が有利なのだという.
GaNの今後の動向が非常に気になるとの話だった.

と,ちょっと専門的な話になってしまったけれど,
こうした話を聞くことができるのが,こうした委員会に参加する
醍醐味である.
良い勉強の機会である.
また人的交流の場でもある.
今日は残念ながら懇親会は失礼させていただいたのだが,
(かなり後ろ髪ひかれたけれど)
次の機会はぜひ参加して,メーカや他大学の方々と
いろいろなお話をさせていただきたいと思うj.
こうして考えると学会活動は確かに,
日本の産業・研究を下支えしているようである.
技術的にも人材的にも.

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